「発明塾®」へようこそ!: 発明塾京都 第38回開催報告

2011年5月19日木曜日

発明塾京都 第38回開催報告

@京都 第38回も無事終了しました。

今回は、前回に引き続きサーバーの冷却について、アイデア発表から開始しました。

アイデアを思いついたとして、それをどう「詰める」のか、ということが次のポイント。


・まず、「従来(既存技術)の課題」「具体的に何をどうして解決するのか」「その効果」というストーリーで、できるだけ具体的に文章化する。この段階では仮説であり、証明すべき命題(の集まり)、である。

・それらを「小さい命題」に分割し、どんなデータを集めれば、もしくはどのようなことを理論的に証明して組み合わせれば、全体を証明できるのか明らかにする。ここには、課題の存在自体の証明、課題の重要性の証明も含まれる。そして、証明すべき命題群の中で、いずれにせよこれが証明できなければこの仮説はボツ、というような中心的な命題、重要な命題をピックアップして、そこから証明や調査を始める。

・それを踏まえて、「現状(既存技術)」と「解決策」の二つをそれぞれ1枚の絵にする。その差ができるだけはっきりわかるように、表現をブラッシュアップする。また、その内容を文章にフィードバックし、補強する。

・これら作業を行うときに「発明の本質」にのみ注目する。たとえば、「300m先まで見える双眼鏡」と「5km先まで見える望遠鏡」の違いについて考えるとすると、その本質のみ(光学設計?、レンズの工夫?)に注目すること。
ここで「夜は望遠鏡でも5km先までは見えないですよね」というような議論をしないこと。それは、「双眼鏡と望遠鏡」の違いによる影響ではなく、双方に等しく影響を及ぼす外部要因なので、気にする必要はない。この議論をする人は、、とても多い。

意外と思うかも知れないが、やってみると皆ハマる。今回もその議論が出た。

「本質部分」=「既存技術と自分のアイデアの差分」にのみ注目し、思考をフォーカスしてムダを避けることで、アウトプットのクオリティーが格段に上がる。ムダなことは考えない、ことである。


僕が授業の結果をBlogに残していることには、ちゃんと意味がある。

それは「発明塾で僕の話を聞いただけではできるようにならない」からだ。同じく、このブログを読んだだけでも、できるようにはならない。

塾以外の時間、が君たちの勝敗を分けている。それは今回、明らかになった。

塾以外の時間に、どれだけ頭を絞り、自分のノートを見返し、スマホで僕のBlogをチェックしながら再度考え直し、アイデアを書き留め、図にし、文章にし、、、そのような作業ができるか。

それが全て。出てきただけで満足しているなら、その時点でオワっている。それは何も産まない。別のことに時間を使ったほうがいい。大学の授業に出ても、大して賢くならないのと同じである。その後、どれだけそれを反芻し、実践できるか(課題など)にかかっている。