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2011年10月24日月曜日

なぜ調べるのか

僕の経験から言って、大半の大学生は「論理的プロセス」を「試行錯誤的に繰り返す」ことに慣れていないので、メモを残しておきます。僕自身は、この作業は「設計」を通じて学びました(僕が学生時代の設計演習は、三菱電機の人が来て「ブレーカー」の設計をやりました)。

ちなみにこれは、数値計算を収束するように繰り返す、というのと同義です。(もちろん、途中で発散することもあるが)

①ある範囲を区切って調べる。正確に言うと、分析する。
②そこから「何らかの初期仮説」を導き出す。もちろんこれは、かならずしも最適解ではない。
③その「仮説」を証明するために必要な事実を探し、組み合わせて証明を試みる。大抵の場合、証明に失敗する。つまり、部分的にしか証明できない。
ちなみに「証明できた」という状態は、A(課題)=B(解決)という命題の場合、Aが重要な問題でかつ、AにとってBが唯一もしくはベストの解であることを示せた、という状態。実はここには二つの証明問題(Aが重要な問題である:イシューの証明、と、AにとってBが・・・:解の証明)が含まれており、別々に証明する必要がある。
④③の調査結果を加味して、仮説を修正する(AもしくはBを変更する)。
・・・の繰り返し。
で、これ以上うまい仮説が立てられない状態になったら、初期仮説を立て直すために「別の範囲を分析」する。これらを繰り返せば、有限の時間で、それなりに適切(そうな)解にたどり着く。

ニュートン法などの数値計算の理論を学び、実践したことのある人であれば、イメージできると思います。初期値を間違えると発散するので、時に初期値を大きく変える必要も出てくる(遺伝的アルゴリズムなんかは、この辺を上手くやる仕組みでもありますね=突然変異を取り入れる)

上記は、僕が普段説明している「ロジックツリー」を用いた発想方法や、マーケティング法(課題を探す)方法を、言い換えたものです。抽象度をあげたほうが方法論としては汎用性がありますから、この状態で理解しておくといいでしょう。