2011年4月30日土曜日

発明塾東京 2011初級クラス 第1回開催報告

2011年度の初級クラス、第1回を無事終了しました。

今回は、プレハブ。事前課題の出来もなかなかよかったですね。体験会の成果でしょうか。

さて、本日は以下の作業を行いました。

①ある特許を技術要素に「素因数分解」する。
てにおはを省けば、自動的に因数分解できます。今日のメンバーはほぼ全員できていたので、この話はしませんでした。京都のメンバーは、できてないメンバーが多いので、要注意。
「素因数」に分解できない人があまりに多いので、ここが注意点。

②その技術要素が対象としている課題を考える。
「なんで、他ではなく、その要素技術を採用しているのか」がKEY。

③その課題を整理する。
「階層性、因果関係、相関関係、トレードオフを見抜く」

④漏れている課題がないか、他に課題はないのか、考える。
具体的なシチュエーションをいくつか想定してみる。シチュエーションによって、重要な課題は異なる。


いくつか重要な話はしましたが、一番重要なのは
「なんで集まって勉強するのか」
ということかもしれません。

それは、
「一人で、できるようになるため」
です。

一人で成果を出せる人間は、例外なく「複数の視点」を持っています。天性で複数の視点を持っている人もいますし(これは僕の尊敬する後輩)、後天的に身につける人もいます。後天的に身につける方法で、最も効果的なのは「他の人の視点を盗む」ことです。これをするには、他の人と討議(建設的な)するのが一番です。もっとよいのは「他の人に教える」事です。相手の視点がなければ、教えることはできません(相手が理解出来ない)

相手から「気付き」を得るわけです。相手を言い負かすのが議論だ、と思っている人は即時退塾です。互いに気付きを得て、新しい地平に至るのが、議論の目的です。

ですから、発明塾では「他の人に教え」「他の人から学ぶ」ことを第一とします。次回は皆さんに発表してもらい、皆さんに主体的に進めてもらう予定なので、しっかり準備よろしく。

全ては準備で決まります。当日を充実させるために、当日できることは知れています。

もうひとつは、因数分解です。この二つはつながっています。

思考というのは、立体です。

立体をちゃんと見る方法は二つ。
・いろいろな角度から見る>複数の視点
・割って中を見る>因数分解(素因数が最適)

たったこれだけです。中学の数学レベルですから、みんなできるはずです。

僕が幾何学と因数分解を教えるとして「なんの役に立つのか」と言われたら、上記のような例で答えると思います。

数学は、日々の生活で実に役に立ちます。

2011年4月28日木曜日

発明塾京都 第36回開催報告

@京都第36回も無事終了しました。今回は、昨年度2010年度の実績報告も行いました。

実績に基づき、@京都から京都大学理学部へ、450ドルの寄付を行う予定です。皆さんお疲れ様でした。

さて、議論の方は、まず前回からの持ち越しトピックである「建設現場の汚染防止」について、3名の塾生さんのアイデアについて討議しました。それぞれ、なかなか面白いアイデアであったと思います。先行技術との差異を意識して、発明の本質を強化するように仕上げてください。

当日説明した内容として「発明の本質をどうとらえるか」が、発明行為の本質である(笑)という話をしました。そしてそれは、どういう課題を想定している(もしくは想定するか)か、ということと不可分であることも説明しました。

また、発明の本質は先行技術との対比により、より明確になること、だから先行技術の徹底した調査と、それとの比較のために「技術の素因数分解」が重要であることも、理解してもらいました。(理解しましたよね)

さて、後半の残り時間は、データセンターについて勉強し、特にその冷房について前回の討議結果を踏まえて、すこしアイデア出しを行いました。

次回は、前回と次回の討議結果を踏まえて「データセンター冷却の課題」について整理を行います。各自なりに、課題分析(課題ツリー、課題間の関係の整理)をおこなって来てください。やり方は、これまでなんどもやってますから、分かってますよね。誰かに前でやってもらいますので、各自で手描きなりマインドマップなりで、しっかりつくってきてください。ちょうど2週間ありますから。

ではでは。

2011年4月26日火曜日

発明塾京都体験会 第一回開催報告

26日の@京都の体験会は、京都大学の図書館にて、塾生さん主催で自主的に行われました。
今回の体験会を主催してくれたメンバーの一人、京都大学工学部3回生の小塚遼(おづかりょう)さん、に当日の結果を報告していただきます。
彼は、大学2回生の時にすでに、非常にユニークなプレハブ住宅の発明も考案しており、将来有望な学生発明家です。

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京都大学工学部物理工学科3回生の小塚と申します。

体験会の参加者は塾生5人(一回生2人)、初参加一人でした。そもそも発明塾とは何ぞや、発明とは何ぞやの部分がまだよくわからない方が多かったので、その部分を中心に進めていきました。

まず発明の手法を説明しました。

発明=「技術マーケティング」

すでに出されている様々な特許を調べていくことによって、自分が考案すべき発明の要素が分かります。まず①誰もやっていない、もしくはやっている人がすくない分野であること、②成長していく分野であること。①は少し面食らってしまうかもしれませんが、「誰もやっていない」にもレベルがあるので、難しく考える必要はありません。②について、当たり前ですが儲かる特許出ないと出す意味がありません。

そこで、特許マップを使ってどの分野を狙えばいいのかを探していきます。(ベン図の中にある小さい集合・且つこれから巨大化していくであろう集合というイメージ)

そしてそのベン図から抽出した集合の細部を見ていきます。特許というのは課題ベースで成り立っているので、新しい課題が発掘できれば新しい特許を生み出すことができます。そこでその抽出した集合から課題を網羅的に発掘していきます。そこで見つけた新しい課題もしくは新しい切り口に対して、集中的にアイデアを出していきます。

漠然とアイデアを出すのではなく、なぜ先に「マーケティング」をして発明をするのか?その理由の一つは、創造的な作業のハードルが下がることだと思います。ここがアイデアが出やすいというのが分かっているので、そこに集中的に時間と頭脳を投与すればいいわけです。そして成長する(と思われる)分野であるので意味のある・効力のある特許が出しやすくなります。

このようなことを参加者の方々に説明していきました。

自分がまだ発明が満足にできないのに偉そうなことを言いましたが、この手法を用いて発明を出していきたいと思っています。そののち、具体的にやっていかないと何をしているかがわからないので、プレハブの特許の課題分析をしていき、発明の体験をしてもらいました。今回はあまりブレストの時間がとれずいいアイデアは出ませんでしたが、次回体験会ではブレストに時間を割いていいアイデアを出していこうと思います。

ありがとうございました。

2011年4月23日土曜日

発明塾京都 第35回開催報告

@京都35回は、新入生3名を迎えて行いました。

今回は、建設現場の汚染防止に関する、前回出た切り口に基づいた解決策の検討と、結果的に?SmartBuildingに関する課題検討を行いました。

毎回繰り返しですが、解決策については「できるだけ斬新な切り口」を自ら設定する必要があります。今回は、皆でアイデア出しをした上で、いくつかに絞り込みまししたので、その中から選んで各自さらに詰めてきてください。

また、課題検討については、これもいつもどおりですが、優れた先行技術を取り上げ、その課題分析を行いました。一度技術要素をリストアップし、それを課題に戻す。これにより、重要な課題、課題同士の関係(相関、トレードオフ)を把握します。今回は、課題のリストアップまでで終了でした。次回、課題の整理をします。

ではでは、次回も宜しく。

2011年4月17日日曜日

発明家と投資家

少し、発明家に必要なメンタリティーの話をしましょう。

僕は「発明」と「投資」は似ていると思います。いつもそう言っていますよね。

何故か。

それは「人と同じことをしていては、利益が得られない」仕事だからです。

発明は「誰も考えたことのないことを考えて、それを実証(or実現)すること」。
投資は「まだ誰も気づいていない機会を探し出して、そこにお金を張ること」。

ほとんど同じです。

誰もやってないから、うまくいくかどうか分からないが、それを覚悟して(リスクを取る)=そのリターンに期待して、あるアイデアの実現性を証明する。それが発明の真髄です。

うまくいくかどうか良く解らんから、ついつい逃げる・・・では、いつまでたっても、せいぜい平凡なアイデアしか得られないでしょう。

そして、この「メンタリティー」も、また鍛えることができます。

すごく簡単で「少しづつリスクを取って、成功体験を積み重ねる」という方法です。株で少し儲けた人は、もう少しやってみよう、となります。それと同じです。強化学習?でしたっけ。機械学習の理論ですが、これって人間がモデルですから。

発明の場合、リスクを取ると言っても、せいぜい数時間(数日)程度の「時間」の問題ですから、学生さんなら、思い切ってリスクを取って、チャレンジしてみることでしょう。もちろん、最初はすこしだけハードルの高いコンセプトを設定して、調べながら考えてみる、ということでOKです。

「すでにあった」というのもNGだし、「証明できなかった」というのもNG。ここから、そのハードルの高さを、自分なりに設定していく作業になります。

さて、このハードルは人によって全く異なります。

だから、発明は「個人作業」なのです。

「さぁ、みんなで考えよう」というのは、発想を広げるところでは役に立ちます。なぜなら、異質な物がある方が、発想が広がります。発想を広げるときは「誤解」すら有益です。「嘘から出たマコト」なんてことも、あるからです。

しかし、証明すべき命題を定義する、作業以降は個人の能力に完全に依存します。そして、リスクは個人でしか取れないものです。

ここで「個人が問わ」れ、「個人が鍛えられ」ます。

ガンバレ塾生。

発明塾東京 第43回開催報告

第43回は、新入塾生2名を迎えて開催しました。少し賑やかになりましたね。

さて今回は、前回42回(以下)に設定した課題を解決するための、「切り口」(コンセプト)を出すことから始めました。

前回出していた気もしますが、結果的に発展してなかったようなので、改めてその場で出し直しました。斬新な切り口が出たので、内容は伏せます。各自で切り口を考え、それをみんなで討議してある程度ふくらませたり、しぼり込んだり、組み合わせたりしました。

皆さんの思考回路がそれぞれ違うので、非論理的な飛躍(ある場合には誤解の結果)が生まれます。

ここからは論理的作業なので、各自その中から「自分で詰める」切り口を選んで、1時間半ほどかけて詰めてもらいました。当然時間内には詰まりませんが、その理由は大きく二つ。

①単に時間が足りないだけ。時間さえあれば詰まる。
②意識せず(意識的に?)、命題(解くべき問題 Problem to be solved, and Concept of Solution)から離れていく。自分が定義したはずの命題から逃げている。

①の場合には、時間をかければ何らかの結論が出ます。それが「すでにありました」であれ、結論を出すことが必要です。
②の場合には、永久に結論は出ません。どこに逃げても、行き詰まる度に逃げていては、何のために命題(課題と解決のコンセプト)を絞り込んだのかわかりません。自分で決めたのですから、逃げられても困ります。

結果のでない人は、殆どのこの②のパターンです。「思考」から逃げるのです。

はい、問題外です。(甲斐塾風に言うと「ゴミ箱行き」です(笑)。)

逃げては、何も得られません。学習すらできません。もちろん結果も出ません。

これは別のところに書きますが、「リスク回避志向」が原因です。

リスクを取って、自分の頭脳を投資する命題を決め、考え続ける。

それで初めて答えは出ます。


次回までに、もう一度しっかりと自分の立てた「証明すべき命題 Problem to be solved, and Concept of Solution」を確認し、ある程度証明の道筋を立て、それに近い先行技術を探して、比較リストを作成して来て下さい。

「逃げたら、イカン」(関西出身の40前後の人は知ってると思います)

では!

2011年4月15日金曜日

発明塾体験会@東京の日程(追加あり)

すでに、以下のとおり体験会を案内しておりましたが、人数オーバーのため16日(土)を追加日としました。希望者は連絡ください。人数は6名まで。

場所時間は同じ。(京大品川、10:30-13:00ごろ)

事前課題は、参加希望者に別途送付します。

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申込者の方、当日よろしくお願いします。

すでに発明塾のHPで概要は掴んでいるかとは思いますが、準備物などを整理しておきます。

割と本気で頭使いますので(それが発明塾の主旨です)、前日はよく寝ておいてください。

・日程:4月16日(土) 10:30開始-13:00頃終了 
・場所:京都大学東京オフィス JR品川直結
「入り口で、楠浦(くすうら)を訪問」と伝えてください。京都大学OBなど関係者しか入れないためです。

>4月2日は6名参加にて、無事終了。

・内容
発明塾の主旨と仕組
発明と特許
発明をしてみる

・準備物
おやつ(各自好きなものを持ち寄ってください、頭を使いますから、甘いものなど)
筆記具
無線LAN付のPC(持っている人は持参ください)
(>電源、無線LAN回線は準備します)

・事前課題
可能な人は、事前課題に取り組んでおいてください。
取り組んだ人は、事前に楠浦宛送付ください。

ではでは。

発明塾@京都 第34回開催報告

@京都は第34回を迎えました。また、1回生が3名参加してくれました。

今回は、建設現場の汚染を防止するには?というテーマで行いました。事前に特許分析を行っておいてもらい、当日はそれを元に、課題の選定、解決策の切り口の選定までを行いました。

皆さんは、発想を広げる、ことはかなり出来るようになりましたが、それを絞り込み、具現化するところにまだまだ課題があります。当面は、やり方は変えながらも、この「絞り込み」のプロセスを強化していきたいと思います。

次回は、今回の続きですので、設定した切り口に従ってアイデアをしっかり考えて(出して)きてください。討議が必要な人は、電話会議なり個別討議を申し込んでください。


さて、改めて参加者リストを無直してみると、初期から継続的に参加しているメンバーが数名、活躍してくれています。継続は力、になっており頼もしい限りです。もちろん、それ以外のメンバーも各自なりに、アイデアであり、運営であり、分析であり、後輩の指導であり、に貢献してもらっていて、ありがたい限りです。

日本の大学の授業で参加型の授業が少ないことによる最大の「弊害」は、実はこの、学生が授業に「貢献」できない(しない)こと、だとおもっています。

昨年半年間、立命館大学で講義をして、その講義がほぼ全て演習(マーケティング・リサーチ演習ですから当然ですが)であったことにより、色々と気づきがありました。

グループ演習なので、なにかやってこないと(予習)、考えてこないと、あるいは、前回の講義の理解が浅いと(復習不足)、周りのグループメンバーに迷惑をかけますし、クラス全体の進捗・運営の足も引っ張ります。

べつに引っ張ってもいいんですが、ならそれをどう挽回すればいいのか、を考える必要も出てきます。

(ちなみに発明塾では、いいアイデアで運営費と小遣いを稼ぐもよし、後輩を指導して自分も全体もレベルが上がるもよし、勉強しながらいろいろな知識を仕入れてネタを提供するもよし、リスクを取ってその場を仕切るもよし、盛り上がる課外企画?を考えるもよし?、それぞれの形で貢献してくれればOKです。そして、ぜひ自分にもメリットがある形で、貢献してください。でないと、長続きしません。継続しないことをやる必要はありません。)

一方通行の「講義」では、学生が授業の運営に貢献する必要はありませんし、求められもしません。

次の討議を充実したものにして、皆が学べるようにするにはどうしたら良いか、皆が良い成果を出すにはどうしたらいいか、あるいはその成果を共有できるようにするにはどうしたら良いか。

それを考えることが、今の大学生が、自分たちの未来をより明るくする、もっと明るい未来を創るためのひとつのポイントだと思います。

君たちの未来は、君たち自身の手にかかっています。今50-60-70?の指導者は、もうまもなく去っていく人たちなのです。現状維持?他人任せ?それともリスクを取る?

2011年4月9日土曜日

発明塾@京都 番外編(花見と見学会)

今日は、花見も兼ねて「島津創業記念資料館」を見学に行きました。

田中耕一さんのノーベル賞受賞も記憶に新しい、あの「島津製作所」の創業の地が、博物館になっています。

係員の方に、とても親切に色々説明していただき、大変勉強になりました。ありがとうございました。
詳しいことは行って見ていただくとして、とても勉強になったのは、島津製作所創業の歴史、特に2代目源蔵の飛躍ですね。

X線のレントゲン装置を、レントゲンがX線を発見してから11ヶ月後につくってしまう馬力、それと鉛蓄電池の開発製造事業の開始。初代源蔵が、仏具の鋳物業から理化学機器に進出したのも、かなりの新規事業ですが、それをさらに飛躍させた2代目の功績は偉大ですね。

彼が優れた経営者であり「ビジョナリー」であったことは、以下に示されています。

「事業の邪魔になる人、家庭を滅ぼす人:30箇条」
http://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/history-gz15.html

この手のリストを、ネガティブリストで作る人は珍しい気がしますが、彼の厳格な経営哲学と人生観が現れています。

「仕事を明日に延ばす人」>なかなか耳が痛いですが・・・

冗談はさておき、家庭の内容と仕事の内容が、相互に入っていることが、「当たり前」ながら注目すべきことかもしれません。

当たり前のことができないのが人間。

科学と経営の勉強になる博物館は、さすが京都発のベンチャー企業の草分けである、島津ならでは、という感じでしょうか。

大人も遊べる実験コーナーや、ノーベル賞の田中さんのインタビュービデオもあり、充実の内容でした。

次回は、島津製作所本社のショールーム(たしかデモルームだった気がするが)に行きますかね。

東京で言うと、日本電子の本社工場(昭島)のデモルームが、非常に充実していました。前職の時に非常にお世話になり、何度か足を運びましたが、計測機器メーカーの経営姿勢というのは、なにか共通するものがある気がします。

脱線失礼。

2011年4月7日木曜日

発明塾@京都 第33回開催報告

@京都第33回も無事終了しました。

今回は、前回の討議で抽出した課題について、各自考えてきたアイデアを踏まえ、

①あらたな切り口はないのか
②有望なアイデアについて討議

を行いました。

①の方は、前回の討議で曖昧であった部分をはっきりさせて(しぼりこみ)、その上でさらに広げたことになります。

他方、②はいわゆる「詰める」作業です。今回は、最後までは詰まりませんでしたが、実現する上で何が問題になるのかという点を考え、それを潰す、もしくは避けるアイデアを創出しながら進めました。

詰める作業自体も、アイデア創出の連続です。発明という作業自体、マトリョーシカのように

・アイデア→そこにひそむ課題→それを解決するアイデア・・・・

と重層構造になっています。これは課題解決ツリーで説明しましたね。

「課題」といっても、アイデアを考えるときに考える課題は二つの方向性があります。

・そのアイデアが解決しようとしている(あるいは解決に貢献する)「対象」としての課題
>上位概念に戻す
・そのアイデアを実現するときに「問題となる」「障害となる」課題
>下位概念に掘っていく

今どちらの作業をやっているのか、迷わないように。


2011年4月3日日曜日

発明塾東京 第42回開催報告

第42回も無事終了しました。

今回のテーマはナノ粒子による汚染を防止。

京都組と同じように、いくつか(今回は2件)の特許をじっくり査読し、そこから「ナノ粒子による汚染を防止する」ということにおける技術的課題を抽出しました。

・特開2008-019853
特開2001-113143

大抵の特許(正確にはそこで表現されている発明)は、複数の要素技術(小さなアイデア)を含み、また、それらの組み合わせにより、複数の課題(正確にはトレードオフ)を解決しています。

①発明の中の要素を一つづつ取り上げ、それがどういう課題を解決しているのか、組み合わせでどういう効果が出ているのか、を書きだす。
②それらを「Why」「要するに」で上位概念化していく。

この作業をいくつかの特許について行うことにより、当該分野での課題を抽出します。

③そして、それぞれの関係(因果関係、相関関係、トレードオフ)を把握します。
④多数のトレードオフの中心になっている課題をまず選び、それとトレードオフにある課題をもう一つ選びます。
⑤そして、それを「セットで解決する」(つまりそのトレードオフ自体を解決する)ことを、「実現すべき命題」(実現すべきコンセプト)として、設定します。

あとは、それを実現できるアイデアを出すために、今度は特許にあった「解決策」を整理しながら、思考を広げていくことになります。

考える「命題」を、根本的なトレードオフに設定します。こうすることで、集中して考えることが出来ます。よく、アイデア出しをやっていると「こんなのはどうか」と、どんどん話がずれます。もちろん、それで良いアイデアが出るときもありますが、たいていは、話が発散して終わります。

集中して考える、ための方法論を持っておくことは、知的生産性を上げるためには、非常に重要なことだと思います。集中して考えられなければ、コンスタントに結果は出せません。せいぜい「ちょっと面白い人」で終わってしまうでしょう。これは、利根川先生が言っている「ちょっと面白いぐらいでテーマを選んでいては、あっという間に一生が終わってしまう」という言葉そのものです。

考えるに価する課題を設定し、集中して考える。

この習慣と方法論を、まず身につけましょう。