「発明塾®」へようこそ!: 塾長の部屋(29)~「日常を科学する」ことが発明の第一歩

2012年12月16日日曜日

塾長の部屋(29)~「日常を科学する」ことが発明の第一歩

今回は、発明塾に興味を持っている学生さんへのメッセージも兼ねて、発明塾で行なっている(きた)ことをまとめておきたいと思います。


①「発明」をすること
当たり前ですが、発明塾は「発明」をする場として運営されています。冒頭に書いているように、「大学の授業では物足りない」「学んだことを、実際の社会の問題解決に活かしたい」という学生さんのための場です。

ここでやっていることは、企業でやっている設計、開発、研究のプロセスそのものです。「モノを作らない」という点以外では全く違いはありません。僕自身が、設計、開発、研究、新事業開発、経営を通じて得た知識を統合して、みなさんと一緒に「発明」に取り組みます。そこに一切の妥協はありません。

これまでに塾生さんからは、「土壌汚染」「食品保存」「機械構造物の故障検知」「リサイクル問題の解決」等に関する発明が出ています。


②「科学」すること
発明塾で行なっている発明は、「科学」に基づいたものに限っています。発明といってもいろいろなものがあり、日常生活用品なども対象にしたものもありえますが、発明塾ではそれは対象にしていません。

なぜなら、発明塾が目指すのは、単なる「発明」「特許」の知識習得や実践ではなく、「社会に存在する問題を、科学すること」「問題を、科学的に解決すること」「それを通じて、創造的問題解決法を身につけること」「科学、工学の知識を深く身につけること」だからです。
大学生が大学時代にやるべきことをやる、ただそれだけです。

僕が理想としているのは、以下3冊の本を足したところにあります。

●「物理の散歩道」シリーズ(参考サイト:Wikipedia
僕はこの本(シリーズ)が大好きです。ほとんどすべて読みました。日常を物理(科学)する、という点で、この本は最もわかりやすく、何よりも楽しい本です。高校生ぐらいで読みたい本ですね。



●「ものづくり解体新書」シリーズ
日常生活で使っている製品に、どのような技術が使われているか、どうやって作られているか、そういうことを知ることが、「新たなものを作り出す」ために必要な知識になります。「なにか新しいものを作ろう」とするなら、まず既存のものがどうなっているかを「知らざるを得ません」よね。「新しい」という言葉の定義から導き出される、論理的必然です。
 


●「実際の設計」シリーズ(参考サイト:実際の設計研究会
これは、企業で設計をやる人が読むレベルの本かもしれませんが、僕は大学生こそ読んでみると良いと思います。上記2冊の本を読んだ後であれば、十分理解でき、また発明塾でそれを実践できます。




③「社会」を見ること
多くの学生さんは、僕が大学生の頃ほど、社会や企業のことを知らないように思います。もっとも、それは単に僕が恵まれていただけかも知れません。以前に書いたように、「甲斐塾」では毎日OB(社会人)が遊びに来て、そこで講師である大学生は様々なことを教えてもらっていました。

僕自身、数年上の自動車会社に務めておられた先輩に、クルマの設計、製造に関するありとあらゆる事を教えて頂き、また、そういう部品をどのような企業が作っているか、などを毎日のように教えていただくという、実に貴重な体験をさせていただきました。いろいろな企業の経営者や創業者についても、そういった先輩方に教えて頂きました。
当然僕も、社会人になってからは後輩にそういうことを教えに(?)、甲斐塾に遊びに行っていました。

例えば以下のような本を読んで、企業について学んで欲しいと思います。

日本の企業家群像」シリーズ(1-3)
日本を代表する様々な企業が、如何にして興ったかについて、非常に読みやすくまとめられています。僕は昔から「企業家」に関する本やTV番組が好きで、そうやって大学時代に知った経営者は、日本で初めて、天然ガス発電所を設立した

木川田一隆(東京電力)

を始め、出光佐三(出光興産創業者)、石橋正二郎(ブリヂストン創業者)、大原孫三郎(クラレ、中国電力創業者)、西山弥太郎(川崎製鉄創業者)、土光敏夫(東芝)などです。(敬称略)

皆さん、どれぐらい知ってますかね。



僕は「企業の使命は、社会的矛盾の解決」だと思っています。そして、企業の歴史は、社会の矛盾との戦いの歴史です。企業の歴史から、社会の課題-解決の歴史(社会の歴史そのもの)を学んで欲しいと思っています。

 
意欲的な学生の参加を、楽しみにしています。



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