「発明塾®」へようこそ!: 4月 2013

2013年4月25日木曜日

発明塾京都第128回開催報告

第128回も無事終了しました。

今回も、2つのテーマについて、3つのGrにわかれてそれぞれ討議を行なってもらいました。私も、あるGrに合流し、発明活動に参加しました。


私が合流したGrのまずかった点を挙げておくと、
・事前のマクロ調査不足で、攻めどころが見えない
・仕方なく、その場の調査と発想、それを元にした仮説検索で急所を明確化
となった点です。僕がいなければ、そのまま3時間を無駄にしたパターンです。

事前に分析せずに集まっても、やるべきことが明確になっていないので、極めて効率が悪くなります。

幸いにも、予備調査である程度情報が集まっていたのと、隣のGrから分析の感触(母集団規模、意味のある主要出願人情報)をもらえたので、すぐに仮説を作り分析を行い、急所の特定と、その先行技術を抽出し、事なきを得ました。

後半は、いつも言っている「調査と因数分解」について、演習を行いました。調べられないと、いい発明は出ませんし、調べた特許を分析し自分の発明との差を定義できないと、これまたいい発明が出せません。


発想を発明として詰める段階において、重要なことは
・前提条件の確認(詳しくは、瀧本先生の本を確認してください)
・先行技術調査と、因数分解による差の確認(およびこの繰り返し)
です。

新たな年度の始まりにあたり、新入生も増えているので、しばらくはこの2つの訓練を徹底します。塾生さんが、自主ゼミもやってくれるようですので、楽しみにしています。

ではでは。


2013年4月23日火曜日

塾長の部屋(41)~「明日の産業人材を育成する」ために

イレギュラーなタイミングですが、報告のために。

先日、INPIT(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)が主催する事業の一つである、専門高校・高等専門学校での知財人材育成に関する委員会に、出席して来ました。

委員会の様子(かなり活発な情報交換がなされました)は、後日公式に報告があると思いますので、ここでは、委員会で僕が発表した内容を簡単に報告しておきます。

1.概要
 何のための知財教育か。企業での知財教育の現状、日本企業にこれから求められる知財活動についての報告。

2.「何のため」の知財教育か
 既に、多くの専門高校や高等専門学校、および普通科高校においても「創造性教育」「リテラシー」としての知財教育が、なされている。また、大学においても、山口大学は今年から全学生に「知財教育」を必修化している。

 僕が紹介したのは、弊社のスローガンでも有る「ダントツの知財力と発明力」の、「知財力」の方。「ものづくり」にこだわらず「頭脳で稼ぐ国家」への変貌を、提案したつもり。技術や発明を守る、という牧歌的な「知財観」を改め、「知財戦争で勝てる人材」「事業の前に土地を買える人材」の育成に、あたらねばならない。

3.「エジソン」の強さ
 僕の「エジソン」理解は以下である。
・「単なる発明家」ではない
・「電力」とその消費先としての「電灯システム」の考案
・特許化、そして「規格化」による独占
・特許(発明)の大半は、ソケットや分電盤など、インターフェースやシステムに集中
・ビジネスを独占するために、「特許」を使い切った達人
実際、彼は人生の後半を、ほとんど訴訟に費やしている。彼の「事業にかける覚悟」、がそこに露れている。

4.学生向け知財教育
 一方で、学生にそこまで教える必要はないと思っている。
・「創造性」教育:差を認め、尊重する教育
→ 先行技術はかならずある。でも、あなた独自の点もかならずある。
・「産業/技術史」教育:発明の歴史として把握する
・論理的思考/分析能力トレーニング:立命館大学での教育内容を紹介
・企業(活動)を知る:同上
・他:早稲田大学、駒場東邦中学・高校(発明塾@駒東)での取り組みを紹介

 しかしながら、計画的に、複雑かつ「タフ」な現実に備えた「巧妙な」教育カリキュラムを設計する必要がある。教育は「工学」されるべきものである。
 数学教育になぞらえて、各段階での教育の「あるべき姿」を紹介。

・中学:よく知られた問題を、よく知られた方法で解くことを憶える。
・高校:よく知られた問題を、様々な方法、新しい方法で解く。これまでにない解き方を考える。
→ 複雑過ぎない問題(箱庭)で、創造性(物事を多面的に見る力)を「徹底的」にトレーニングする。
・大学:現実の世界を数理モデルで置き換え、解く方法を教える。
・社会人:現実の世界の問題を発掘し、これまでにない方法で解決する。

 複雑な状況下で、創造性を発揮できるようにするには、箱庭で「方法論に熟達させる」ことが必要である。これは、巧妙に設計されたシステムの中で、教える側が継続的に関わらなければ、達成できない。

5.企業で求められる知財人材
 一応の最終像として、紹介。
・「自分の強み」と「相手の弱み」を突き合わせて勝つのが「戦略」
・自分の強み=知財(排他権)と、相手の弱み=事業を、突き合わせて勝つ、という戦略的思考ができる「知財人材」の育成
・世界で勝つには、知財による「技術保護」なる「牧歌的認識」を、超越する必要がある。

6.企業における知財活動の事例
 Patent Wallの写真などを用いて、Qualcomm社の事例を手短に紹介。

7.僕の講義のルール
 これは、立命館大学での「発明講義」のルールであり、発明塾のルールでもある。
・唯一解のない問題(ヘタすると、答えがないかもしれない)
・どんどん発言する(言わなければ始まらない)
・何を言ってもOK(否定はしない)
・僕が正しいとは限らないし、僕に聞くより調べたほうが早い(唯一絶対は無い)
・どんどん調べる(その場でググる)
・随時質問OK(その場で解決し、先送りしない)

8.「明日の産業人材育成」のための知財教育
 どういう意義があるのか、まとめ。
・「創造性」を理解し、実践する
・答えは「唯一絶対」ではない
・互いの才能を「補う」
・「調べる」こと、技術の歴史、先人の知恵、企業について知る
・経営、経済活動、そして「戦略論」を理解する
・「考えること」の楽しさを知る

 いつも言っていることだけれど、「どんなことを通じてでも」「何だって」教えることができる、というのが僕の考え方。「教育のプロ」というのが何を指すのかは人それぞれでしょうが、僕なりのプロ意識で、大学生時代からの20数年間の、決して少なく無い時間を「教育事業」に費やしてきている。

知財教育を通じて、ありとあらゆることを教えよう、という僕の取り組みは、まだ始まったばかりです。

これからもよろしく。


2013年4月18日木曜日

発明塾京都第127回開催報告

第127回は、前回のテーマ選定に基づくGr分けをして、各Grで自主的に進めることにしました。

・メリット:時間が有効に使える(多分倍)
・デメリット:複数のThemeを、楠浦が同時に追いかけるのは不可能(ゆえに諦める)

でしょうか。デメリットを補って「余りある」メリットが有るようです。

さて、いくつか気づいた点を指摘したので、詳細がわからない程度に公表しておきます。


・RFIで取り上げられている事象を、どこまで具体的に理解できているか
→検索技術が肝(なので割愛)

・特許で取り上げている具体的課題を、上記知識とフィードバック的に結びつけているか
→Situと課題の位置づけ、先読み

・細かい技術のことはわからないと諦めていないか
→絶対発明を出すという強い意志、これがなければ始まらない(BCG本参照)。

・ジャストアイデアも課題化しているか
→特許もアイデアも同じ、分析対象に過ぎない。

・こういう技術、こういう課題が有るはず、と仮説思考検索をしているか
→速くエッジにたどり着く工夫

・何が求められているかわかっているか?
→誰のニーズか。世の中のニーズ、みたいなものは存在しない。具体的な主体が存在する。
→世の中、世間、というのは主体たり得ない。今の日本を見ればよく分かる。


・誰がその発明を買うか
→誰かがお金を払わなきゃ実現しない。「誰」が実施したい発明か、から始める。


「細かいXX技術のことは(大学生なので、物理系なので、文系なので、知財の専門なので)わかりません」を、言い訳にする癖を止めること。どうやったら「素早く理解できるようになるか」という風に、すべてを「解決思考」で考える。

「必要なことは、総てやる」

という、強い意志を持ってもらう以外に、人類に残される最後(注)の「総合芸術(アート)」である「発明」をマスターする道は、ない。


※ 注) カーツワイルの諸著作を参照


2013年4月11日木曜日

発明塾京都第126回開催報告

今回が、実質上2013年度の一回目、つまり初動の日でした。

・今年のスケジュール(感)
・今年の方針
・この3ヶ月のTheme

を討議し、Themeに関する情報分析とちょっとした演習を行いました。


昨年の反省(塾生自身の)から、今年は情報分析①に力を入れます。

また、これも反省(僕自身)から、「やや構造化された状況での運営」②に変更します。


①情報分析
検索能力と、分析能力の向上と駆使。普通の企業でやっている程度の、特許情報分析と徹底した先行技術のベンチマークによるブレークスルー、を行います。
巨人の肩に、しっかり乗りましょう。

すでに塾内で共有していますが、

・「特許調査における桐山流発想法」桐山

・酒井美里氏のブログ
http://blog.1smartworks.com/2012/07/1.html#more

ぐらいは読んでおきましょう。いずれもサーチャー(情報検索のプロ)として、有名な方々です。テクを盗みましょう。

既に数名の塾生さんが、米国特許を徹底的に分析(パテントマップ作成)し始めていることが、非常に頼もしい。特許(情報)は「弱者のツール」です。徹底的に使いましょう。タダですし。


②「構造化された状況」
実は僕自身は、この「構造化された状況」が、とても嫌いです。マズローが「完全なる経営」で述べているように、

「非構造的な状況こそが、各自の創造性を最大限引き出す」

ことは、既にわかっていますから。しかし、マズローは同じ部分で、

「その分野において、十分な熱意や能力が持てない人間は、そのことを早々に知ることになる」

と述べています。彼はこれを

「時間を無駄にしないという意味で、良いことである。他の、興味が持てて、能力が発揮できることに取り組むべきである」

として、ポジティブに捉えている。僕も、基本的にこの意見に賛成である。

ただ、彼は同時に「十分成熟した社会」においてのみ、成り立つ法則である、とも指摘している。残念ながら、少なくとも日本の大学生は、十分に成熟したとは言いがたい状況に生きている。

一方、他の所でマズローは、

「教育は、組織においてこそ、なされるものである」

とも述べている。ここから先は、僕の理論である。

・組織を使うことで、上手く構造化された状況を作り出し、各自の創造性を十分に高めることができる

特にここ数年、塾や会社の運営において、最も注意を払ってきた部分であり、自分としては、ある程度の成果が出ていると思っている。

僕自身は、高校生の時から元々教育を一つの仕事として目指してきたわけですが、マズローの理論の理解、経営者としての経験、発明という仕事との出会い(発明家!)、により、

「創造性を引き出すための方法論」

の核心に迫りつつ在ると、日々感じています。今年はそれの総仕上げ、になる気がしています。

僕がなぜ、昔から「教育」を志してきたのか、は、また回を改めて。



2013年4月7日日曜日

塾長の部屋(40)~「設計」と「発明」が持つ「アート的」面白さ


実は先週はサボっておりました(もちろん、意図的ですが)。弊社内のブレストも有りましたからね。

 さて、今回は「設計」と「発明」の共通点、面白さについて取り上げたい。結局のところ、発明塾で教えていることは、少なくとも僕にとっては「設計の基礎」。そしてそれは、僕自身、工学部機械工学科2回生で選択必修の「機械設計演習」で学んだことだ。

 そこで設計の面白さに目覚めた僕は、機械設計の仕事に就くことになる。特に、オートバイのエンジン設計は、その複雑さという意味で非常に面白い仕事でした。内燃機関は、機械工学の一つの完成形でしょう。

 いまでも僕の設計・開発したW650のエンジンが、「製図室」に分解可能な形で寄贈してありますので、機械系の学生さんは是非触ってみて欲しい(昨年一度、実際に分解する会を持ちました)。ほぼまるごと一つのエンジンを、設計者として担当できる機会など、そうそうあるものではありませんので、僕は「結果的に」非常にラッキーだった(開発中に、先輩二人が体を壊しチームを離れるという、とんでもない激務のお陰でしたが)。


 さて、四方山話はこれぐらいにして、「設計の面白さ」について説明したい。ひとことで言うと

・小さな論理の積み重ねによる、緻密で地道な収束的プロセスで成り立つ「アート」

であること、でしょうか。

これは、多変数関数の最適値(極大値等)問題に共通の特性である。ほぼ総てのシステムの設計は、多変数関数の最適値問題である。解析的に解けないので、なにかの変数を固定して、次元を落として解き始めることになる。

変数間にぼんやりとした因果関係があるので、何かを決めると、他の変数も徐々に決まってくる。しかし最終的に求まった値が、最適かどうかは、検証することでしかわからず(いわゆる「NP問題」)、往々にして最適ではないので、どこかの変数を「いじる」ことになる。それを繰り返す過程で、その関数に対する理解も深まり、どこをどういじればいいのかが見えてくる。

製品、部品など設計対象ごとに、この関数は根本的に異なるので、関数を覚えてもあまり意味はなく方法論を学習するしか無い(もちろん、経験の蓄積で、類似の問題は早く解けるようになる)。

ほぼ「職人」の世界。


 僕は、上記のようなことが、いわゆる「設計(英語でDesign)」といわれる作業に共通する特性であることを、先程述べた2回生の「機械設計演習」を通じて学んだ。

僕が受講した講座のテーマは(いろいろなテーマがあって選択できる)、

「変電所で使う、馬鹿でかいブレーカーのバネを設計する」

という、一見シンプルな課題であった。

三菱電機(注)の、多分課長さんぐらいの年齢の方で、メガネを掛けたほっそりした方だった。非常にモノ腰やわらかで(僕も見習わないといけない)、すごく丁寧に指導していただいた、ということをはっきり覚えている。

この講義を通じて、設計とは非常に複雑な「アート」であり、故に非常に面白い、という事に気づいた。機械設計という非常に論理的(当時の認識)で、それこそ「コンピューターが全部やってくれるんじゃないの」というような世界の中に、そのような職人的で芸術的な工程が残っていたとは、思いもよらなかった。この時点で、僕の進路は決まったといっても良い。

「オモロイ、設計者になろう」


ちなみに講義自体はどのようなものであったかというと

「ブレーカーの特性(目的値)が割り当てられている」

「計算式は、いくつかの式が、羅列的に、ステップ・バイ・ステップで示されている」

場合によっては途中の式の定数が、入力値に依存したものになっている。よくありますよね「Xが10-100の場合には、定数Aは0.1にしてください」みたいな、そんなのです。故に、逆から解析的には解け無い。

ステップ・バイ・ステップで進めながら、最終の値が目的値にできるだけ近くなるように、何度も計算を繰り返さないといけない。また、最終的に「一見」設計が終わったように見えても、「そんなバネは、実際には作れない(製造法の問題)」というような、別の制約条件が「途中で」出てくるようになっていた。

つまり、ひとつの目的値に対して複数のアプローチがありえて、もっとも現実的な(後になって初めて検証できる、複数の制約を満たす)ものを、選ばないといけないようになっていた。

たったバネ一つで、である。


思い出話はこれぐらいにして、含意がなんで有ったかということである。

・世の中の大半の問題(ある部品の設計、というような一見瑣末なものを含む)は、殆どの場合「試行錯誤的にしか解けないNP問題」である。

・その理由は、変数が多く、変数間に微妙な因果関係があり、さらに、定数と思われているものが、場合によっては変数になるからである。バネのような、非常に簡単な機械要素を設計する場合にすら、そのような複雑さが顔を出す。

・しかも、ある特性値を実現する方法は、指定の設計法に従った場合においても、一つでは無い。最終的には、複数の解を、別の次元(製造のしやすさ、コスト)などで評価して、場合によっては一から考え直す必要すら出てくる。

・この手の複雑な問題を、ある程度定型的にこなすための「知」が設計法である。それは、設計式の事を言うのではなく、複雑な多変数の多項式を、仮説的(検証的)に解くという考え方、そのための知的体力のようなものである。


 実は、これらのうちの1つは、高校レベルでやっていることである。高校数学である。高校数学の授業では普通、ひとつの問題を複数の解法で解くことを学ぶ。線形代数の問題を、幾何学で解いてみたり、確率統計の問題を、行列で解いたりすることも学ぶ(はず)である。

僕は常々、

①中学では、すでに解法がわかっている問題を、与えられた1つの方法で解くことを学ぶ
②高校では、すでに解法がわかっている問題を、複数の方法で解くことを学ぶ
③大学では、まだ解かれてない問題を、どのようにして解けばよいかを学ぶ
④社会人は、問題自体を発掘し、それを解いて、対価をもらう

というステップになっていると、思っている。早すぎても、遅すぎても問題があると思う。

そして発明とは、問題発掘も込みの設計作業で有って(③と④の間ぐらい)、発明提案書は、設計計画書(計算書)と設計図(図面)を含むものだ、と思っている。


 実は僕自身も、社会人2年目(川崎重工)から7年目(コマツ)まで、機械工学科の2回の機械設計演習(先の「バネ設計」の講義)で、オートバイのエンジンのある部品の設計を含む、一連の設計演習講義を、毎年半期にわたり担当していた。

当初、大学から川崎重工のとある役員に話があって、「やる人がいないので」ということで、僕にお鉢が回ってきた。例の三菱電機の人の講義を思い出して、渋る上司に「優秀な設計者を取るチャンスですよ」と言って、その上の部長も直接説得して、資料づくりも一部お願いして、かなり強引に始めた記憶がある。その後、機械系からオートバイ部門への採用は、僕がいる間は毎年1名以上であった(それが原因かはわかりませんが)。

共に学んだ沢山の後輩と一緒に仕事ができたことは、設計者としても教育者としても、非常に良い経験であった。

シリーズ総て、読んでおきたい
「設計」に関する知の集大成


まとめよう。

 今の時代、機械系の学生といえども、全員が機械設計を学ぶ必要はないかもしれない。しかし、それよりももっと大きな「設計」(敢えて「デザイン」とは言わない)という概念には、是非触れてもらって、それをぜひ社会の隅々で生かして欲しい。

僕は、全ての大学生が、設計法、としての発明法を学ぶ時代が来ると思っている。実際、発明法を教えるのに使っている本の半分ぐらいは、設計者時代に買い集めた本である。例えば、有名な畑村先生の「実際の設計」シリーズや、失敗学の本など、設計者時代にも随分お世話になったが、いまでもお世話になっている。あとは、ワインバーグとか・・・。

僕はどこまでも機械系の人間なので、機械工学、特に機械設計の「知」が、もっと広く世の中の問題解決、制度設計に役立つことを確信している。それを実行してくれる人が、一人でも多くなるように、自分のできることを、やって行きたいと思っている。

ちなみに僕が、設計の面白さに気づいた「もう一つ」のきっかけは、「設計工学」を教えておられた、久保教授との出会い。これはまた、機械(いや機会)があれば紹介したい。彼の講義を通じて、経営工学、および経営自体に興味をもつことになる。


※注) ちなみにその方のご案内で、受講した学生全員で、三菱電機の伊丹製作所を見学させていただいた事がある。当時、携帯電話やテレビが絶好調で「重電やFA部門は肩身が狭いです、売却されるという噂もあって・・・」などと、おっしゃられていた。その後20年。三菱電機の屋台骨を支えている事業は・・・。


=======
入塾・見学希望の方は、こちらを御覧ください。
「発明塾講義」配信希望の方は、こちらをご覧下さい。

2013年4月4日木曜日

発明塾京都第125回開催報告

 第125回も無事終了しました。

今回も、各自のアイデアの仕上げに時間を使いました。発明を最適化した上で、権利化できるポイントがどこにあるのか、しっかり考えてもらいました。

このプロセスは、発明を捉え直す上で非常に重要です。発明の本質、というのは「自分の思い込み」ではなく、「技術の発展の歴史」の中で考える必要があります。そこで重要な概念が、特許用語で言うところの「進歩性」です。

先行技術(技術発展の歴史)と比較し、自分の発想の本質を把握し、そこを強化する。

発明の基本です。


 発明塾では、今後も「発明・発想法の基礎」をマスターしてもらうために、発明活動を継続していきます。

では、今年もよろしく。


2013年4月2日火曜日

月例ブレスト~「国際標準化と事業戦略」を発明に応用する

 本日は、弊社の月例ブレストでした。いつものように、ある技術を取り上げ、コアになる発明を創出する作業を行いました。

 今回は、弊社のメルマガで取り上げている、小川先生の「国際標準化と事業戦略」に基づいて、発明を整理し、更に発展させる作業を行いました。詳細は発明塾で取り上げますが、いくつか気づきがありました(小川先生の本の、復習といえばそれまでですが)。


①物理的な境界は、必ずしも製品の境界にはならない。

②インターフェース/インタラクションがアナログな部分を分けることは、知の流出につながる。OPEN-CLOSEの議論は、この部分をめぐるバリューチェーン上のプレーヤーの綱引きである。
③製品の境界、事業の境界をどう定義するかが、本質的な問題である(収益モデルが根本的に変わる)。

プリンター/コピー機しかり、PCしかり、アナログ/デジタル携帯電話しかり。


 今回はさらに、これを「時間的に変遷」させることで収益を確保するモデルを検討し、必要な権利をデザインしました。


今後も、実際に発明を創出しながら、「発明塾式発明法」を深めて行きたいと思います。


ではでは。


こういった、経営学からのアプローチを
知財と標準化の視点で切り直すと、
とても面白い。それができるメンバーが、
「発明塾」学生として在籍しているのが、
また面白い


※ 月例の「社内ブレスト」については、例えば以下参照。


・「塾長の部屋(10)~毎月行う「社内ブレスト」でわかったこと」

http://edison-univ.blogspot.jp/2012/09/blog-post_12.html