「発明塾®」へようこそ!: 塾長の部屋(47)~「仕事の哲学」

2013年8月17日土曜日

塾長の部屋(47)~「仕事の哲学」

お盆の時期もそろそろ終わりですね。皆さんは、お盆休みはどのように過ごされましたか?

ちなみに僕は、毎年お盆と正月に、1週間ほど総てのアポや外出をシャットアウトして籠もり、半年ごとの、仕事の見直し作業を行うことにしています。もう10年ほど続けているでしょうか。


会社の将来のことについて考えるための「まとまった」時間は、やはりなかなか取れないので、貴重な時間です。友人の経営者(ベンチャーが多いですが)も、だいたい同じようなことを言っているので、「ほとんどの経営者はそうしているのだろうな」と思っています。

弊社は今年で設立6年目、前のベンチャーの設立から10年となりますので、僕的にはひとつの節目です。同じ失敗を2回しないためにも、振り返ることもまた重要で、昔のノートや日記を見直したり、昔読んだ本を読み直したりしています。


今日は、この「塾長の部屋」本来の趣旨である、卒業生へのメッセージとして、僕の仕事の哲学を取り上げたいと思います。以前も、部分的に取り上げています。


・塾長の部屋(23)~会社とは何か、仕事とは何か

http://edison-univ.blogspot.jp/2012/11/blog-post_11.html


僕が普段会社で話していることを紹介しながら、にしましょう。


「人生の黄金期を使って仕事をしてもらっている以上、能力が高まることで、個々人が充実した人生を送れるようになるという意味で、能力を開発することは、経営者の義務である」


これ以上、説明は不要でしょう。メンバーの能力の開発は、会社の経営のためだけにとどまらないのである。その人が、より充実した人生を送るために、まず、能力の開発が必須なのである。


併せて、少なくとも僕にとっては、1日8時間週5日の仕事の時間の充実無しに、人生が充実するということは、ちょっと考えられない。

いずれにせよ、マズロー(注1)が言う通り、

「進歩的な経営管理で、従業員の能力を開発し、会社として価値を社会に提供するだけでなく、社会を形成する人材自体を変えていくことで、良い社会を生み出す」

事こそが、経営者の仕事だと思っている。単に「金儲け」の方法を追求する、そのために身につけたテクニックを駆使するだけなのであれば、こんな面倒な「経営者」などという仕事をする気はしない。ある人に、

「金儲けの才能という点では、あなた以上の人はいくらでもいる」

と、面と向かって言われたことがあるが、全くその通りだと思う。何の異論もない。単に金儲けがしたいだけなら、会社を経営するなんてことは、少なくとも僕はやらない。誰か別の人がやった方がいい。僕もそう思う。

だけど僕には、「僕がやる」正当な理由があると、少なくとも今のところ信じている。

これは、上記(23)でも取り上げたユヌスの、「経済こそが社会を変える」という哲学とも、通じるところがある。

もはや僕にとって、経営者という仕事は「自分の哲学の追求」であり、「身体の一部」である。



別のところでも紹介している通り、僕は「7つの習慣」(S.R.Covey)のプログラムに従って、スケジュール管理や、自分のミッション・ステートメント作成を続けている。忙しい毎日の中で、「自分が取り組むべきこと」を整理するためのツールとして、非常に完成度の高いツールである。


現在の僕のミッションステートメントの一部を紹介したい。「7つの習慣」に従って、定期的に書き直しているので、あくまでも「現在の」であることを、ご理解いただきたい。


「創造的リーダーシップにより、自らとその周囲のすべての人に、豊かな人生をもたらす。併せて、創造的リーダーシップを発揮できる人材を自ら継続的に育成し、継続的に育成できる仕組みを作り、社会を継続的に、より良くしていく。」


セネカの一言を待つまでもなく、「人生は短いが、一つ何事かを成すには十分」であり、重要なのは「その一つを何にするか」である。



大学時代に、教育の仕事に没頭して掴んだものが、20年以上の時と様々な経験を経て、再び僕の中で動き出そうとしている。


TechnoProducer株式会社 という会社を通じて、僕が実現したいことは、こういうことなのです。皆さんも、自分の人生を費やす「意味」のある仕事を、しっかりと捕まえて下さい。一つ一つの出会いを大事にして。


最後に、現在の会社としてのKSQ(注2)を、以下に挙げておきます。


①もっと「知と頭脳を武器にする」ためにはどうすればいいか。それを企業の競争力に結びつける「科学」を確立し、提供できないか。

②もっと人々をクリエイティブにし、「武器になる知」を生み出せるようにするには、どうすればいいか。


③もっと人々が学べるように出来ないか、そのための環境、方法はどうあるべきか。それを環境として提供出来ないか。


④もっと創造的(クリエイティブ)なリーダーを増やし、より良い社会を創ることは出来ないか。


これからも、これに答えを出すべく、様々なサービスの開発を行っていく予定である。



入塾希望は、こちら



※ 注1)「完全なる経営」A.H.マズロー


※ 注2)これに答えれば全てが解決する、というポイント。会社の羅針盤となる質問。これに従って、何をやるべきか、その仕事はやるべきなのか?を、僕は判断している。