「発明塾®」へようこそ!: 塾長の部屋(62)~「人を見る眼」

2014年2月22日土曜日

塾長の部屋(62)~「人を見る眼」

さて、今回は少し思い出話を交えて。

この「人を見る眼」に関しては、僕が参考にさせて頂いている「二人」の経営者の方が、同じことをおっしゃっていた。

一人目は、前職の初代社長である。どこかで、「毎週金曜日に、つくばから東京まで呼び出されて話をした」(注1)ということを書いたと思いますが、その時に

「結局大切なのは、タイミング(時)を見る眼と、人を見る眼なんだよ。憶えておくといい。」

と、彼はよく言っていた。彼は、具体的にああしろこうしろと言う人ではなかったので、「具体的にどうすれば、それが身につくのか」アドバイスは一切なかったが、何度も言われたのでよく憶えている。

「お前みたいな奴は珍しい」

と言って、ずいぶん可愛がって頂いたことに、今は大変感謝している。

クラレの創業者であり、
クラボウ、中国電力、中国銀行の礎を築いた。
「大原美術館」で一番有名かも知れませんが・・・


もう一人は、同じ時期に共同研究開発でお世話になった、ある材料系企業の取締役の方(注2)。その方は、新材料開発⇒新規事業開発というキャリアを歩まれた方ですが、ある時期、自分の開発した材料を、営業として世界中に売って回っておられたとか。当時僕も同じ境遇だったので、「私もそうです」というお話をしたところ、

「楠浦さんは、営業で移動の時、何してますか?」
 「本を読んでいます」

「本もいいけど、本は家でも読めますよね」
 「???」

彼曰く、移動中には「人を読む」ものだと。電車で前に立った人の、「年齢、職業、家族構成、出身地、趣味・・・」(注3)などを推測し、あとで同行した営業マンと議論したりしていたらしい。

なるほどと思い、それ以来「思い出した時には」、やってみたりする。答えがないので、面白いようなすっきりしないような・・・(注4)。


ともかく、「タイミング」と「人」を読む力が重要である、それはトレーニングできる、ということらしい。僕もそう思います。危なっかしいので具体論はここには書きませんが、何かの機会にお話する機会があれば、是非お酒でも飲みながら、議論しましょうかね、10年前にそうして教わったように・・・。



※ 注1) 当時、僕はつくばの産総研のラボで研究を担当しており、彼は東京の本社にいた。

※ 注2) 当時、取締役 新規事業開発本部長 でした。ある材料の実用化に、15年ほど掛けて成功されたとのことで、その時のお話を、たびたび詳しくお伺いしました。

※ 注3) 当たり障りのないように、内容を変えています。

※ 注4) まさか、目の前の人に聞くわけにもいかず・・・(笑