2014年5月31日土曜日

発明塾京都第182回開催報告

今週末(正確には今日、まさに今から)は、新歓イベントですね。OBOG会も兼ねて、楽しんでもらえれば、と思います。

余談ですが、@東京のOBOG会も、6月に予定されています。そもそも人数が少なかったので、これまで集まる機会を設けてませんでしたが、就職組が増えつつありますので、今後は定期的に集まりたいですね。

さて、今回は「特許情報解析と進歩性」に関する討議と、「知財戦略」に関する討議を行いました。6月から、再び本格的な発明活動に入る予定ですので、その準備、ということになりますかね。

発明創出において重要なことは、ものすごくシンプルです。

①「それって何がいいの?」
②「それって、先行技術と何が違うの?」

一つ一つ行きましょう。


①「それって何がいいの?」
発明塾用語で行くと、「何の課題を解決しているのか」ということです。「バリュー」と言い換えてもいいかもしれません。発明の価値は、課題で決まります。独自性は、その次なのです。ここ勘違いして、「そのアイデア、確かに聞いたことないけど、それで何がどれだけ良くなるの?」というアイデアを連発してしまうのが、発明塾入塾当初の、大半の学生です。


②「それって、先行技術と何が違うの?」
発明的には、「進歩性」になります。単に同じものが存在しない、だけでは不十分で「ちょっとそれは思いつかないでしょうね、その業界の人は」という、死角的なものである必要があります。知財の正解では、審査官の基準/判例がありますので、ある程度客観的かつ明確に、線引きが出来ます。


この「シンプルな」2つの問いを、自分のアイデアに対して問いかけ、掘り下げていくことで、「ブレークスルー」を生み出すことができます。それが、発明の面白さ、であり、発明塾で日々追及していること、です。答えは自分の中にあるのです。

ほっといても誰かがやりそうなことや、
誰かに言われたことをやっても、
やはり、どこか虚しい
「自分がいなければ存在しえなかった」
ようなアイデアを、是非追及しましょう。
短い人生ですから。


ともあれ、本日の「新歓イベント」、楽しんできてね!

ではでは。

2014年5月24日土曜日

発明塾京都第181回開催報告

今回も、来週末(5月31日、土曜日です!)に控えた 新歓イベント「発想法セミナー」 で取り上げるトピックについて討議しました。

今回は、前回の「特許分析」結果を踏まえて、主に「発明討議」を行いました。

「特許分析結果のどこに注目するのか」
「それを、どう”具体的なアイデア”につなげるのか」

が、2つの大きなポイントだと思います。復習兼ねて、簡単に説明しておきましょう。


(1)「特許分析結果のどこに注目するのか」
特許を分析すると、その特許に表現されている技術思想が出てきた背景、「ストーリー」が見えます。そこには当然、「課題」が出てきます。ある課題を解決するために行った発明を基に、特許が出されているわけですが、多くの場合、

「発明」→「特許化」

という流れで考えられているために、その発明だけでは課題の解決が十分でなかったり、将来出てくる技術を予測したものになっていなかったりします。分析結果を基に、その発明が創出された背景を解析し、

「技術/ニーズ動向」→「収益」→「事業」→「実施」と「権利」→「特許」→「発明」

の流れで考え直すことで、新たな発明が生まれます。


(2)「それを、どう”具体的なアイデア”につなげるのか」
もちろん、「考える」だけではだめで、重要なのは「仮説をもって、さらに調べる」ことです。調べることで、見落としていたさまざまな関連技術思想、先行技術、最先端技術が出てきますので、それを踏まえてさらに調べ、実行可能な一連の技術思想として統合する作業、それが「具体的なアイデア」を創ることです。


僕は、各企業の「トップ発明者」に、しばしば会いに行く。
彼らは必ず、「独自の発明法」を持っており、
あれやこれや、発明談義に花が咲く。
至福の時間ですね。


これ以上のことが知りたい学生さんは、ぜひ新歓イベントへ!

では。

2014年5月16日金曜日

発明塾京都第180回開催報告

今回は少しイレギュラーですが、新歓イベントを兼ねた5月31日の「発想法セミナー」で取り上げる、ウエアラブルデバイスに関するテーマで、討議を行いました。

今回のセミナーでは、ある企業の特許公報を取り上げて分析し、それを基に発明を行う予定です。


こんな感じの「ウエアラブルデバイス」について
考えてみましょう!
さて「誰が」「何のために」使うんでしょうね?
それは当日「特許」を読めば、わかります!


学生さんが、特許情報を基にどんな発想を見せてくれるか、非常に楽しみです。きちんとトレーニングすれば、「世界に通用する」発明を出せることは、すでに実証済みですので、ぜひ多くの学生さんに、「学生の間に」この「発明塾式」を身につけて、活躍してほしいですね。

セミナー当日は、現役塾生+OBが、発想法のみならず、「発明塾で学んだ手法がどう役立つか」など、ざっくばらんに話してくれる予定です。

では!

2014年5月10日土曜日

発明塾京都第179回開催報告~発明のための特許情報分析

第179回も、これまでのように「①特許分析と、それを踏まえた発明」「②知財戦略の討議」「③進歩性に関するケーススタディと、その先の発明」の、3部構成で行いました。


①特許分析と、それを踏まえた発明

出願動向と審査過程、一つ一つの公報の内容を分析すれば、一連の出願が目指す「技術思想」は、自然と明確になります。特許出願自体が「経営上の意思」を、反映しているからです(注)。
今回は、これまでの討議で抽出された「コアになる技術思想」をベースに、新たな発明の創出を行いました。

既に一度、発明活動/発明提案は行っているのですが、改めてその時の方針の正しさが確認できたとともに、いくつか新たな視点を付け加えることが出来ました。


発明は「時間勝負(思いついたら勝ち)」の面もありますので、分析にどこまで時間をかけるかは難しいのですが、その後「数十年」にわたる勝負を決する、と考えれば、重要なテーマについては、この程度のことはやっておくべきでしょう、というのが僕の結論です。大した手間ではありませんでしたからね。



②知財戦略の討議

詳細は、長くなりすぎるので割愛します。今回、かなり進みましたので、しっかり復習とこれまでの議論の整理/構造化を。


③進歩性に関するケーススタディと、その先の発明

こちらでも、進歩性の観点から、いくつか発明を行いました。すでに審査過程(拒絶理由、意見書、審決取り消し)の分析は終えていましたので、どこに進歩性があるのか明確ですから、発明の深堀りは容易ですよね。


すでに何度も議論していますが、特許情報分析と言っても、様々な視点があります。4月以降は、単に公報を読む、とか、読んだ結果を寄せ集める、とか、統計処理をする、といった「平凡な(誰でもやりそうな、という意味)」分析ではなく、審査過程に注目することで、基になる発明や「経営の意思」を明確にする分析を行いました。


発明塾生ならずとも、「社会に出たい」大学生であれば
この程度の情報調査力、リテラシーは身につけておきたい
企業情報分析、という観点で見れば、文系学生にも
必須の知識

今後も発明塾では「発明」を行うために必要な情報分析を、継続的にトレーニングし、また、実際に発明を創出していきます。


引き続き、よろしく。




※ 注)詳しくは、「キヤノン特許部隊」(丸島) 参照


2014年5月2日金曜日

塾長の部屋(66)~「なぜ働くのか」とM.ウェーバー

久しぶりですね。今回は、本日の弊社の「終礼」でのトピックから。

弊社では、僕の前職時代からの習慣で、始業時に「朝礼」を、そして終業時に「終礼」を行うことにしています。以前はどちらも僕が主催?していましたが、現在は原則「朝礼」のみとし、終礼はメンバーのみで実施してもらっています(注1)。

本日はたまたま、連休前ということもあって、例外的に僕も参加しました。普段通りやってもらったつもりですが、まぁ、たぶん全然違うでのしょうね(笑

たとえば、一つ質問がありました。それは、

「GWの過ごし方」

です。僕があまりお酒を飲まないこともあって、メンバーとざっくばらんに話す機会が少ないので、こういう話題になったのかなと思いますが、いい機会なので、いくつかトピックを話しました。

他の話題も含めて、ここでは、話しきれなかったことを中心に、書いてみたいと思います。


まず「GWの過ごし方」ですが、原則として、

「休みは休め」

ということになります(笑。特に、通常の土日は、忙しい人は「土曜日はその週のことが気になり、日曜日は、月曜日以降のことが気になる」中、あまり休まらないと思います。ですから、「連休ぐらい、ゆっくりすれば?」ということです。

それ以上でも、それ以下でもありません。


次に、「長期休暇の過ごし方」という意味で、

「若い人は是非、海外に出かけては?」

という話をしました。現時点で僕は、飛行機に何時間も・・・というのが、どうにも苦痛で「まったく海外に行く気がしない(旅行で)」のですが、20代の頃はあちこち出かけていました。肌で感じることが重要、ということは、その時に痛感しています。

とはいえ「もう一度」行ってみたい
ところがあるとすれば、それは「パリ」。
ついでに、TGVとバスを乗り継いで、
日帰りでモン・サン・ミシェルなど
いかがでしょうか?

休みの話は、これぐらいにしておきましょう。


もう一つ、「仕事」に関して、いくつかの観点から話をしました。弊社では、中途採用も含め30歳以下のメンバーが多いのですが、その辺の年齢で「自由にやれ」と言われても、普通は難しいわけです。

「ある程度決まったこと(決められたこと)」をやって、20代を過ごすというのが、大半の人の学生生活/キャリアになっているので、「自分で基準を決めて」「自分なりにやり方を見つけて」仕事を進める、という考え方を持つことが、作業ではなく「仕事」をするための、スタート地点になります。


僕の社会人スタートは川崎重工で、オートバイの設計をして5年を過ごしたわけですが、やはりここで「仕事って一体、なんなんだ」ということを、ずいぶん考えた気がします。

多くの製造系企業の新入社員と同様に、川崎重工の新入社員も「現場実習」と名付けられた、現場での研修期間があります。僕は、エンジンのシリンダーヘッドの加工ラインで、2か月半ほど過ごしました。

現場の班長(ホワイトカラーの係長に相当)さんにも気に入ってもらい(?)、ありえないぐらいの残業を当時からこなしていました。残業後に、班長さんの娘さんの進路相談の話なんかもして、皆さんとずいぶん仲良く仕事をさせて頂いたのを、今でも思い出します。

僕が一つ、現場の人たちに「俺たちは”エエ仕事”してるんや」と感じていただくために、御礼もかねて実施したことがあります。それは、

「そのラインで加工した部品から、組み立てられたオートバイを知ってもらうこと」

です。きっかけは、そのお世話になった班長さんの、「XXXって、どんなバイクなん?」の一言。

「XXX」は、バイク馬鹿だった僕にとっては、当たり前の開発機種番号、しかもその年の「期待の新機種」です。入社前から、開発機種番号や市販車の型式、果てはその命名ルールまで知っていたのはちょっと異常だったとしても、まさか、現場で加工や組み立てをしている人たちが、それが「どんなバイクになるのか」、全然知らないとは。

しかし、当然「なんとなく興味はある」わけです。

翌日、営業の同期に頼んでパンフレットを入手し、班長さんに見せたものの、「ふーん」・・・いまいちピンとこない感じ。まぁ、そうですよね。だけど、せっかく自分の「仕事」の先に興味を持たれた班長さんの気持ちは、大切にしたい。

僕は結局、工場長と製造課長に、「この工場で組み立てたエンジンが搭載された新機種を、何台か昼休みに工場内に展示してくれないか」と、頼んでみました。当時、研修日誌をつけて提出することになっており、そこに書いただけなのですが・・・。理由はもちろん、

「自分たちが作った製品に、親しみを感じ、誇りを持ってもらうため」

ということで。提案を書きながら、

「これ、お父ちゃんの仕事なんや」

そういって、すれ違うバイクを指し示す班長を想像しました。研修中の新入社員の、生意気な提案は即採用され、昼休みにオートバイが展示されました。皆さん、結構嬉しそうに見ていましたね。海外からの研修生なんかも。

僕の「仕事」に関する考え方は、この辺で固まった気がします。

「これ、俺(私)の仕事ねん」

そう言えるものが、みんな欲しいんじゃ、ないかなと。


メンバーの一人が、「今やっている"仕事"は、前職とは違って、もやもやした霧の中を、もやもやしたまま、目を凝らしながら進んでいくような感じ」と、言ってくれてました。

それでも、「とにかく進める」と「割り切って」やらないといけないんだ、と。


知らぬ間にずいぶん年も取って、言われたことを言われた通りにやっていた(?)頃のことを、すっかり忘れてしまっていたので、新鮮な感じがしました。僕のイメージは、こんな感じです。

「ものすごい濃霧の中、ものすごくゆっくりと進む船を、慎重に舵取りしている。遠くに灯台の明かりらしきものが、ぼんやりと見える。なんとなく近づいているような気はするが、確信は持てない。でも、進まないわけにもいかない」

これは、一つ一つの仕事だけではなく、「キャリア」についても、全く同じことが言えます(注2)。「自分が今やっていることが、本当にやりたいことかどうかは、わからないけれど」、今やっていることの先に「なんとなく目標らしきもの」が見える。

その中で、きちんと「俺の仕事」を積み重ねることで、「霧のなかに、徐々にはっきりと、浮かび上がってくる」目標が見える。きっと社会人=職業人としての道は、そうやって、切り拓いていくものだと思います。

M.ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」も、僕が「仕事」について考えるときに、よく参考にする本です。宗教学や社会学的な観点から、この本に関する是非は多々あるでしょう。しかし、僕の観点は、少し異なります。

「仕事をすることは、善である」(救済への道ですらある)

という「プロテスタンティズムの倫理」、「天職」という考え方。そこに「人は、なぜ働くのか」という、およそ答えが出そうにない問いに関するヒントが、あるような気がして、何度も読み返します。

「完全なる経営」(マズロー)は「なぜ経営するのか」についての本であり、この本は「なぜ働くのか」についての、本だと思っています。

答えは、「目を凝らす」しかないのですが・・・。



※ 注1) やはり、僕が参加するとそれなりの緊張感(緊迫感に近い)が出ますので、終礼には参加せず、いろいろな話をしてもらうことにしています。

※ 注2) 人生そのものも、だと思いますが。



発明塾京都第178回開催報告~マスタリー(熟達)を目指して

今回は、GW中日での開催となりましたが、一部新しいトピックも追加し、活発に議論しました。


以前にも取り上げましたが、発明塾での討議から何かを得るためには、


「討議の内容を、後で自分の言葉でまとめ直す」


ことが重要です。というか、これをやらないと、討議時間の大半は「無駄な時間」になります。僕も、討議後の週末中に、


「発明討議ノート」もしくは「塾生専用の公開掲示板」


にて、まとめを行っています。


「自分の言葉で(内在化と表出化)」と「まとめる(構造化)」


の2つの作業を通じて初めて、「理解」に至ることができます。これまでの経験上、ここをおろそかにした塾生さんは、「なんとなくの満腹感」と「情報の洪水」に溺れて・・・・(詳細省略)。



少し怪しい?本に見えますが・・・。
マスタリー(熟達)に達しない3つのタイプとして、
「ダブラー:心があちこちに移ろいやすいタイプ(集中できない)」
「オブセッシブ:せっかち型、考え方が偏狭でゆとりのないタイプ(待てない)」 
「ハッカー:意気地が無く熱心さに欠けるタイプ(詰められない)」
が、あるそうです


そうならないように、しっかり時間を取って、自分の討議内容を振り返ってくださいね。



では、次回もよろしく!