「発明塾®」へようこそ!: 米国病院大手「ユニバーサル・ヘルス・サービス(UHS)」と「Wearable デバイス」~第338回

2016年7月22日金曜日

米国病院大手「ユニバーサル・ヘルス・サービス(UHS)」と「Wearable デバイス」~第338回

第338回は、

「今後、どのような発明テーマを選ぶか」

つまり、

「発明テーマの選び方」
(頭脳の投資、ですので「投資テーマの選び方」でもあります)

を取り上げました。


話した通り、

「自身の知識」「自身の技術」

をベースにテーマを選ぶ場合、

「つながるかつながらないか、ギリギリ(エッジ)」

のテーマを選びましょう。発明の成否は、

「テーマ選びで9割決まる」

と、思っておいてください。

「よく知っているテーマ」

を、安直に選ぶと、

「泥沼」

にハマります。新しさを出せる余地が、最初から、限られているからです。


よく、

「知りすぎていると発明が出ない」

という方がおられますが、これは、少し違うように感じています。

「テーマを選ぶときに、発明がなされる」

と、これまでの経験から、僕は感じています。よく知っていても構わないのですが、

「自身が、新しさを出せる余地の、イメージが持てているか」

が重要です。

「安直に選ばない」

とは、そういうことです。


僕は、大学時代から一貫して

「材料」

を、技術屋としての一つの専門分野に定め、

「金属」「熱処理」「加工」「ナノ材料」「電子材料」「高分子」「結晶成長」「メッキ」「バイオマテリアル」「光学材料」・・・

などの研究開発を続けてきました。結果として、

「新しさを出せる余地の、イメージ」

を、幅広い分野で、持つことが出来るようになっています。


発明塾では、ユーモアを交え

「材料最強説」
「化学最強説」

などと、説明することがありますが・・・。
(もちろん、冗談です)


さて、今回のもう一つのテーマ、

「ウエアラブル」
「慢性疾患」

の参考に、僕が以前から調べている

ユニバーサル・ヘルス・サービス(UHS)

という、米大手病院の情報を、取り上げておきましょう。

「慢性疾患への有効なソリューションの提供」

は、発明塾がフォーカスすべき

解決すべき重要な課題

の筆頭です。この情報を生かし、しっかり取り組んでほしい。


以下、関連リンクも示しておきます。

「Nike」と「Apple」の戦略的交差点から「次のウエアラブル」を見通す~第336回報告/「靴」の固有性はどこに?

後発薬と低侵襲医療のトレンドが交差するところにいるのは・・・?(医療機器エッジ特許分析その後)




● 米「病院業界」

個別の話の前に、業界を把握しておきましょう。UHSは

「持ち株会社として、多数の病院を経営している」

企業です。米病院大手として、他に HCA があります。また、腎臓疾患ケアを中心にしたサービスを提供している Davita のような企業もあります。



● 全米に拠点

「アメリカって広いんだな」

を実感したスライドです(笑

これだけ広いと、

「Universal」(遍く)

均一なサービスを提供するのは難しいだろうな、とも感じます。

医療経営のノウハウを積み重ね、多くの医療従事者とのネットワークを持つ、UHSのような存在が重要になる背景には、

「国土の広さ」

が、あるのかもしれません。






● 「メンタルヘルス」の重要性

以下を読むと、投資家向けにいろいろと説明をしてくれています。すこし抵抗感がある表現もありますが、

・ Mental illness に起因する障害が多いこと
・ 推定 7300万人 の対象者がいること

など、貴重な情報が開示されています。

気になる方は、元の資料をさらに詳しく読んでください。




病床数も、拡大しているようです。




● 「Telehealth/遠隔医療」

2015年のアニュアルレポートには、「遠隔医療」についても、言及があります。

「Nationally, health systems identify the need to collaborate with specialty behavioral health providers to deliver mental health services.」

のような記載もあります。

先の

「国土の広さ」

と併せて読むと、

「メンタルヘルスの専門家」

とのネットワーク構築、それを利用した医療の提供に、「遠隔医療」は欠かせない、ということでしょうか。


以上です。



楠浦 拝