2016年5月30日月曜日

後発薬と低侵襲医療のトレンドが交差するところにいるのは・・・?(医療機器エッジ特許分析その後)

発明塾の学生さんは、ビル・ゲイツ(Bill Gates) がハーバード大学での講演において、

「重要な問題に資源が割かれていない」


と発言したことを、ある種、僕よりも重く受け止めてくれているようです。


最近、「発明塾って何?」と彼らに問うと、かなりの確率で上記の言葉を引用してきます。

ここに書いているから、ということだけでは、ない気がします)

僕の言葉ではないのだけれど、彼らの「心に火を灯す」言葉を紹介できたことは、やはり嬉しい。



これまで、様々な「発明テーマ」に取り組んできましたが、僕にとって衝撃だったのは、


過去に取り組んだ「解決が求められている”重要な課題”とは?」~医療分野の例と「エッジ特許」


で紹介している、


「脊椎矯正の低侵襲化」


です。血だらけの手術映像を見ながら、発明に取り組みました。医療現場の情報は、学生さんや我々のような立場では、容易に入手できませんが、様々な映像資料で補いながら発明を創出し、クライアントに提案できたのは、よい経験でした。



残念ながら採択に至りませんでしたが、それは、


「その発明は、まだまだ改良できる」


ということです。常に念頭に置き、よい発明になれば、また提案すればよいのです。そのようにして積み重ねた発明と情報が、次の「偉大な発明」を生みます。



また、僕がいつも言っているように、


「発明に、国境、年齢、性別、専門分野、学歴は 一切関係ない」


ですから、いつも発明を考え、然るべきところへ提案すればよいのです。以前もどこかに書いた気がしますが、僕の発明をいつもレビューしてくれていたある人は、僕が


「どこかの大手企業をリタイヤした、元エンジニアで技術好きのおじいさん(Old Man)」


だと思っていたそうです。アメリカでは、きっとそういう方がバリバリ活躍されているんでしょうね。お会いした時、


「まさか、こんなに若いと思ってなかったよ(So Young !)」


と言っていました。褒められているのだと、思っておくことにしました。



2004年に(この本に)出会って以来、ずっと
注目している企業の一つです。経営の勉強にもなりますよ。
でも、また、絶版のようですね・・・(笑)。


その後も僕は、「発明テーマ」「投資テーマ」探索のため、医療のテクノロジー化について、いろいろ調べています。


闇雲に調べても大変ですので、「脊椎矯正」の延長で、Stryker社 について調べていると ・・・ まぁ、この分野が日進月歩、言い換えれば、発明と投資機会の宝庫であることが見えてきました。特に、電気電子/機械系の学生には、絶好のフィールドです。



例えば、医療機器メーカーの多くは、近年、かなり活発に低侵襲医療用機器分野へ投資を行っています。直近では、例えば、Abbott 社や Medtronic 社が M&A でカテーテル分野のシェアを高めています。



また、遠隔医療との接点を探っていくと、Abbott 社に買収されることになった St. Jude Medical 社の 心不全モニタリングツール「CardioMEMS HF Systemが浮かび上がってきます。臨床試験では、手術後15か月以内に再入院した患者数が37%減少した、と報告されているようです。

素晴らしいですね。塾生さんにも、是非こういう製品/サービスを考え出し、よい製品で世の中を前向きに変革しながら、事業を成長させ企業経営に貢献して欲しい。

ちなみに、このCardioMEMS HF System」を開発したのは、その名の通り CardioMems 社であり、St. Jude 社はそれを買収し、更にその St. Jude 社を Abbott 社が・・・とM&A が続いて、かなりややこしいことになっています。



4‐5年前に発明塾で討議し、いくつか発明を創出した「遠隔医療(遠隔診断を含む)」は、上記のような医療機器開発の延長線上にあります。遠隔医療については、米国では「医療保険」業界が主導して実用化が進んでおり、「医療費低減」という大きな流れの中で、より革新的な技術が導入されるという、好循環に入っているように見えます。一方、医療保険業界(というかPBM)は後発薬の導入に熱心ですので、「医」と「薬」をまたいで、

「付加価値の再配分」

が起こりつつあり、いつも発明塾で言っている通りになっています。投資資金や、企業収益の流れ/使い道をIR情報から丁寧に拾って整理してみると、業界に起きている変化、僕がよく言う「地殻変動」が見えてきます。まず仮説的に、

✔ 「新薬 → 後発薬」(+PBMの圧力)という、製薬業界の流れ

✔ 「低侵襲医療 → 遠隔医療/遠隔診断」の流れを加速する原動力は、PBM(いわば、薬のディスカウンター)が生み出す圧倒的な超過収益 

のような構図で捉えてみましょう。この通りであれば、この流れを妨げるものはない、といえます。「好循環」とは、そういうことです。Fact はどうでしょうか。


PBMの状況、および遠隔医療への取り組みは、例えば米国最大手 UHGのHP、および、以下の記事で分かります。


UnitedHealth Widens Telehealth Coverage To Millions Of Americans


また、SEC Form (10-Kなど)にアクセスし、PBM各社のEPSのCAGRなどを調べれば、


「薬のディスカウンター(PBM)」


ビジネスが、いかに巨大な市場であるか、そして、そこで生まれた収益が、


「遠隔医療(TeleHealth、TeleMedicine)」


産業の駆動力になっていることが、おぼろげながら見えてきます。ちなみに、一部のPBMは、


「もっとユーザーに、収益を還元すべきだ」


との批判も受けており、遠隔医療推進の原動力も、長く続かない可能性もあるようです。



しかし、(批判が出るぐらい)かなり儲かっている、という見方もできます。



上位3社で70%以上(推定)といわれる寡占業界ですから、


「独占」「寡占」


の威力でもあります。うんざりするぐらい、


「方程式通り」


であることに気づかされます。ビジネスに近道はない、ということでしょう。


✔ 成長市場で最先端の機会を見つける(エッジ)

✔ 付加価値の再配分に目を付ける(Biz.Model)
✔ 独占・寡占を徹底する(知財、規制、M&A、独禁法対応)

という、発明塾でおなじみの構図です。



いずれにしても、


「業界を超えて、大きく付加価値の再配分が行われている」


ことを念頭に置き、


「どのような発明(=製品・サービス・ビジネスモデル)が、その流れを加速させ、世の中をより良くするか」


考えて下さい。



「関与するすべての人の利益になるものこそ、発明」

です。




やや込み入っており長くなってきましたので、補完する内容をメールマガジンで後日配信します。


ではでは。


2016年5月29日日曜日

一般的に、特許情報分析は「役に立たない」とされる~だから発明塾では「特許情報」にこだわる(第332回報告)

第332回の前に、過去のログを楠浦が改めて振り返り、一つアドバイスをしておきました。


周知の事実のはずですが、発明討議において


「過去ログ」


の分析は、


「討議自体より重要」


です。特に


「議論のスピードについていけなかった」


人は、振り返ってはじめて全貌が理解できる場合もあるでしょう。また、どんな人でも、


「見落とし、聞き落とし」


がありますから、それを拾い上げ、さらに深堀りし、新たな着想を得るために、過去ログ分析は必須です。


また、現在、楠浦は討議に参加していませんから、ログを頼りにアドバイスすることになります。

慣れれば、効率よく指導するツールになりえます。

もちろん、各自がきちんとしたログを残してくれていることが、前提になりますが。



(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。
なんにせよ、予習は重要です。
そして、「復習」により、気づくこともまた多い。


発明討議において、


「結局、初期のアイデア・情報が重要だった」

「議論が一周し、当初のコンセプトに戻ってくる」

ということがよくあります。今回も、まさにそうなっています。


楠浦は、過去ログを見てこのことに気づき、今回のアドバイスに至っています。



各自が、過去ログを振り返り気づくことがベストですが、ログさえ残っていれば、第三者の指摘により軌道修正できます。


ログの重要性、改めて肝に銘じておいてください。



ハネウェルの「UAV(ドローン)」特許に行きついていましたね。

ハネウェルも、注目すべき企業の一つですので、また取り上げましょう。
最近では、GEのOBがヘッドハントされ、社長に就任することが決まっています。



さて、本日は「特許情報を用いた技術マーケティング」の、おさらいをしておきましょう。既に e発明塾「開発テーマ企画・立案における特許情報分析の活用」として教材化されていますので、


✔ 受講が済んでいる方は「復習」、「今後のアクション」、および、アクション結果からの「フィードバック」

✔ 受講前の方は、心の準備

を兼ねて、お読みください。




「特許情報分析は役に立たない」という声が多い


先日、過去のセミナー参加者の方より近況をお伺いする機会に恵まれ、


✔ 「特許情報を用いた技術マーケティング」セミナーの内容は、非常に役立っていること

✔ 社内で取組みとして定着し、結果も出ており、次のStepへ進むタイミングであること

など、貴重な情報をいただきました。


過去にも、「非常に役立っている」というご報告をいただいた例は少なくありません。一方で、一般論として、


特許情報を有効に活用したい

しかし、なかなか上手く活用できない

というお話も、各所で伺います。理由は一つではないでしょうが、私が上記のような相談を受けた場合、必ずアドバイスすることがあります。


それは、


「特許情報から得た仮説をもとに、実際に自分で行動を起こさないと、活用できるようにはなりませんよ」


ということです。


上手く活用されている方にとっては、


「なんだ、あたりまえじゃないか」


というアドバイスでしょう。詳細は、e発明塾


開発テーマ企画・立案における特許情報分析の活用


に記載がありますので割愛いたしますが、「ナノインプリント技術の実用化」において、私は、


「特許情報を分析して、用途を見つけた」


というよりは、


「事業を成功させるために、会うべき人にきちんと会った(会えた)」


のであり、


✔ ナノインプリントの実用化開発に必要十分な 大口の研究開発投資を得る ために

✔ 投資家を説得できるレベルまで、事実を集め、事業計画を仕上げたい
✔ そのために、だれに接触し、どのような対話を行うのがよいか
✔ 特に「本気で取り組んでいる ”先駆者”との対話を通じ、他では得られない情報を得たい
✔ それには、「こちらも本気である」ことを、示せるだけのものを準備する必要がある
✔ そのためには、まず、「行かなくても手に入る情報」を入念に調べておく

のように、目標から行動へ、そして、その行動に無駄が生じないように、特許情報を最大限活用した、とお伝えするのが正しいでしょう。



実際、あるヒアリング先の方は、


「そこまで調べて来ておいでなら、のらりくらりと無駄話をしてお茶を濁し、追い返すわけにもいかないですね」


と前置きし、その後二時間以上にわたり、社内でどのような取り組みをしているか、どのような課題があるか、どのようなサンプルであれば評価したいか、どのような設備を持っているか、など、微に入り細に入り、お話し頂きました。


残念ながら、当時の技術力では、先方のご要望に、完全にお応えすることが出来ませんでしたが・・・。


また、「今は、ナノインプリントは検討していないけれど、評価装置は持っているし、おもしろいデータが取れるかもしれないから、評価だけでよければ、お手伝いしますよ」と申し出ていただいたこともありました。
 




何のために「特許情報分析」を行うのか


特許情報を用いた技術マーケティング」を、一字一句注意深く読んでいただくと、特許情報を利用したことで生じた事業開発上の転機は、大きくは


✔ 自己都合による「認知バイアス」を排除

「自社の人間も含めた世間」が言う、用途についての「セグメント」が、致命的に間違っていたことに気づいたこと。つまり、「血気盛んな人間が数名集まれば」、ついつい自分が正しいと思い込んでしまいがちであり、かつ、だれも正してくれないものであり、その結果必ず生じる「自分たちの認知バイアス」に気づくための客観的なデータとして、特許情報が大いに役立った

✔ 「身の程」をわきまえた上での優先順位設定

自分たちが、何の実績もない、いわば口先だけの「駆け出しのベンチャー」であり、「丸腰で大手企業の方にコンタクトしても、全く相手にされない」「技術・人材に乏しいだけでなく、資金、つまり、事業化までに許される時間が限られている」という「ポジション」を考慮した場合、「今/まず、誰に会うべきなのか」という事業開発上の「必然性」と「優先順位」を考える材料を得たこと。
ついでに言えば、「ポジション」がわかっていれば「会うべき人に会うために何をすべきか」は、すぐに明確になり、そこでも特許情報は欠かせなかった

✔ 身勝手な論理から生じる「致命的なミス」を排除

ナノインプリント以外の技術でも実現出来ることを「ナノインプリント事業」で追求することは事業開発において、致命的なミス」になる。したがって、「消去法」で、「他の技術でも出来そうなこと」を徹底的に排除することを厳守し、特許情報を活用/ヒアリングでも、この点に特に注意したこと。
何十億も資金を投じた挙句に、「競合技術に勝てませんでした」は許されない。「本当に勝てるのか」を検証するために、特許情報を活用し、他技術を試みている「先駆者」にも、積極的に助言を求め、「本気の対話」を繰り返した。
ついつい「市場を大きく見せたがる」のが、事業開発担当者のマインドセットであることは、すでに痛いほど理解していたので、「本当に勝てる市場に絞り込む」「勝てると確信が得られ、一定の合理的な証明/投資家への説明ができるまで、ロジックを練り上げる」ために、特許情報を活用した

✔ 「
ラストワンピース/L.O.P」を見出す「本質的な議論」のために「会う時間を有効に」

一方で、実用化されていないデバイスには、何か「課題」が残っており、それが「最後のピース(ラストワンピース/L.O.P)」であり、自分たちに解決できるのではないか、という視点でヒアリングを行う。そのためには、「本質に絞り」対話を行う必要があり、「前置き」のような話はできるだけ省略できるような面談提案を行ったこと

の4点にあることが、お分かりいただけるでしょう。


開発テーマ企画・立案における特許情報分析の活用


では、「売れるか、勝てるか、儲かるか」のように表現していますが、発明塾で特に重視しているのは、


「絶対勝てる場所を、まず見つける」


ことです。一つ見つかれば、他を見つけるヒントが得られます。実際、ナノインプリント技術の実用化開発でも、


「なぜ、LEDの高輝度化が有望か」


を考え抜いた結果、今後大きく発展し、かつ、ナノインプリントを必要とする可能性が高い用途の仮説を、他にもいくつか導き出すことが出来ました。



その他、当時の話の一部は、こちらにも記載。




「情報」の価値は、そのあとの「意思決定」の価値で決まる


これまた当たり前すぎて怒られてしまうでしょうが、


「情報分析や情報収集は、単なるコスト」


です。


情報の価値は、その情報に基づいて下される意思決定の価値によって決まる、と私は考えています(情報分析の結果も、
情報です)。


「重大な意思決定のために、情報分析を行う」

情報分析の結果にもとづいて、自ら意思決定を下し、行動し、そこからフィードバックを得て、情報分析手法を見直していく

ことが、


「特許情報分析」


の精度を向上させ、その価値を最大化するために、必要なことです。


もちろん、


「大して役に立ちそうにない」


と思われている状態で、


「だれか他の人が、重要な意思決定に使ってくれる」


ことは、まずありえませんから、


「自身で情報分析を行い、重要な意思決定を行い、行動に移し、自分で結果を確かめ、分析の精度を向上させてから、他の人に ”使ってもらえないか、お願いする”」


しか、ないでしょう。



また、いつもの「逆張り」の精神で


「活用できている人が少ない、ということは・・・」


で、手法を磨きぬいていきましょう。


「皆がやっている」


ことを、そのままやっても、勝てませんからね。


続きはまた、お会いした際、ぜひお話ししましょう。




楠浦 拝





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2016年5月23日月曜日

「その時、”君”がリーダーになる」~創造的リーダーへのStepその1(第331回報告)

ログを見る限り、第331回も熱の入った議論になったようです。
6月末に「発明提案書」が出せるよう、引き続き進めてください。

さて、楠浦抜きで討議を進めてもらう上で、メンバーに個別に話したことを、備忘録としてまとめておきましょう。

いわゆる、

「集合討議」

を上手く進めるためのノウハウが、発明塾運営の本質の一つ。「楠浦がいなくても」、自由自在に発明ができるようになるために避けて通れないことを、以下に記しておきます。

発明塾OB/OG、企業内発明塾生、および、e発明塾生の方も、ぜひ参照していただきたい。



「過去の発明を踏まえ、正しく進化させる」ことが
発明塾式「即興芸術としての発明」の流儀です。
この本によれば、「自動車用回生ブレーキ」は、
1967年にアメリカで発明されています。
普及したのは・・・・。


発明塾では、

「ファシリテーター」

役を、

「全員が」
「必要な時に」

担わなければならないことは、既に何度も言っているとおり。

いわゆる、

「司会者」
「サポート役」
「アシスト役」

的な ”主体性のない人” を排除し、その局面局面で、

「自分がリードするタイミングが来た」

と確信を持つ人が

「リーダー」
「ファシリテーター」

になってもらう仕掛けにしている。これは、楠浦の

「Jazzバンド」

での経験からきている。

「即興で、これまでの流れや文脈を踏まえ、かつ、全く新しい表現を追求する」

という、

「Improvisation」

が典型的に必要とされるのが Jazz。川崎重工時代には、企業内Jazzバンドに所属し、川崎重工が建造した船の進水式で演奏するなど、非常に貴重な経験をさせていただいた。お誘いいただいた当時明石工場のジェットエンジン事業部の方には、大変感謝している。

「発明という ”即興芸術” に必要なもの」

が、まさに Jazz にあった。Jazz には、指揮者はいないからである。

「その時、ノっているヤツに合わせる」

のが、Improvisation の神髄であり、また、

「前の演者の演奏を、本質を生かして発展させる」

ことが、

「正しい Improvisation の作法」

である。


なんと発明に酷似していることか!

なので、自分が

「今、ノってるな」

と感じたら、ためらわず場をリードし、

「リーダーとして、即興芸術を完成させる」

ことを、僕は期待します。

「司会者」「場の盛り上げ役」

みたいなものは、発明塾式には不要で、

「確信と覚悟をもって、場をリードしあう」

ことだけが、

「素晴らしい即興芸術」

につながる、という信念を持ち、日々の討議に挑んでください。

では、続きはまた。



楠浦 拝

2016年5月15日日曜日

「靴」「におい」など、過去の「発明テーマ」が、ナゼか今頃「熱い」(e発明塾改訂、第330回報告)

第330回も、無事終了しました。

4-6月は、楠浦抜きで運営してもらっています。


「4半期ごとに成果を出す」


という社会人のサイクルで、しっかり活動し成果を出して下さい。



また、これは別途取りあげますが、


「発明」


に終始せず、


「発明提案」


として価値のあるものにし、提案して、初めて


「成果」


であることを忘れないように。OBの何名かが度々言ってくれたように、


「ちょっとオモロイこと言うぐらいなら、中学生でもできる」(優秀な中学生の方、大変失礼します)


ということですので、


「大学生活に飽きたらない大学生」


として、何を目指し、何をすべきか、しっかり考え活動して下さい。



過去の楠浦の経験と実績、および発明塾での膨大な発明討議にもとづいた教材「e発明塾」がありますので、一昨年までのように


「教える」


立場ではなく、


「学んでもらい、成果を求める」


立場で、僕は皆さんに接します。



さて、GWを挟んで、念願の


課題解決思考(1)~コア技術の強みを活かした顧客価値の創造


の、比較的大規模な改訂作業が終了しました。第4版になりますので、リリースから2年で、3度「大きく」改訂したことになります。


既に、多くの技術者、および、企画担当者の方に受講いただいておりますが、これまでの受講者の方の声にもとづき、さらに多くの方に受講いただけるような教材として、大幅なリニューアルを行いました。興味ある方は、是非この機会に、「生まれ変わった」課題解決思考(1)をご受講下さい。

(他講座のご紹介は、こちら

今回の改訂では、過去の「発明塾」での発明討議、および、「立命館大学/大学院MOTコース」での演習講義の内容を、さらに大幅に取り入れました。


「演習事例」として取り上げている、


✔ 「におい/香り」の強みを生かした商品

✔ 「靴」、あるいは、「足に装着する」ことの強みを生かした商品

が、現在非常にホットな Topic になり、部分的に、すでに「急成長分野」になりつつあるからです。

公開情報が急増しており、教材に記載できる内容も増えてきました。


「企画提案」「発明提案」は、
「今まで誰も気づいていない」ことについて、
「言われてみれば当たり前」になるように
説明/証明しなければならない仕事です。
その「肝になる考え方」が、あますところなく紹介されている
「良書」で、発明塾推薦図書です。



課題解決思考(1)発売当初、あるいは、本教材開発前のセミナーでは、


「何で靴なの?」「何でにおいなの」


という声もありましたが、我々の読み通り、


「急成長分野/Hot Topic」


になりました。


教材を増補改訂する際に収集した情報を含め、いくつか、関連Topicを取りあげておきましょう。




● 「靴」


もともとは、


✔ 次世代のユーザーインターフェース

✔ 典型的な消耗品
✔ 次の「ウエアラブル」デバイス

の観点から、「靴」に目をつけ、発明討議を行ってきました。関連する過去の発明テーマとして、


✔ 医療 Big Data

✔ セキュリティー/個人認証
✔ 関節/骨盤/脊椎系の疾患予防、モニタリング、および、治療
✔ 3次元プリンタ(3DP)
✔ エネルギーハーベスティング

などがあります。こうしてみると、


✔ IT、ユーザーインターフェース、セキュリティー

✔ エネルギー
✔ 医療、健康

など、「靴」という発明テーマが、Hot Topic になる必要条件を、かなり備えた発明テーマであることが、見えてきます。


「発明テーマをどう選ぶか」には、このような視点が必要です。


✔ 波及効果が大きい


テーマを選ぶと、討議自体が


「発展的」


になります。我々が、敢えて


「靴」


を、事例演習のテーマに選んでいる理由が、ここにあります。


「靴」について、先行例調査/分析を行い、発明討議を繰り返すことで、上記のような様々な


「熱い分野」


の動向や、技術に関する基礎知識が得られるわけです。


「1石XX鳥」


です。


単に方法論を身につけるだけでもなく、単に技術の勉強をするだけでもなく、


「成果を出しながら、手法に習熟し、最新のHotな技術や市場の知識も得る」


のが、「発明塾」式の鉄則です。


「オモロそう」


ぐらいでテーマを選んでいては、時間がいくらあっても足りません。



最近では、様々な企業が「靴」に着目した面白いデバイスを発表していますね。

以下、発明塾でも過去にアイデアは出ていましたが、やはり、同じようなことを考える人は、たくさんいるようです。

Airline launches vibrating shoes to help people navigate towns and cities


他にも、過去に発明塾でも注目した米国の急成長アパレル企業が、「靴」に注力し事業を強化していることも、各種情報分析からわかってきました。



このように、「発明塾での膨大な発明討議/情報分析」の積み上げなしには、課題解決思考(1) は教材化出来ませんでした。


「適当に、流行のワードで Hot Topic を選べばよい」


というものではありません。


「僕が提示した発明テーマの ”熱さ” を正しく理解し、熱心に討議/情報分析を積み重ねてくれた」


塾生/OBOGの皆さんに感謝します。また、出会う機会に、個別に報告と御礼をしたいと思います。



ありがとう。



● 「におい/香り」


これも、過去の主要な発明テーマの1つです。五感について考えていくと、


✔ 触覚、味、「におい」


が、技術的に未成熟であることは明らかですので、過去、発明塾では上記3つに、積極的に取り組んできました。


✔ 化学センサー

✔ 食品/食品包装/食品保存/賞味期限管理
✔ 次世代のユーザーインターフェース
✔ 医療(各種病気の予防)
✔ 製薬

など、「におい」もまた、多くの Hot Topic とつながりが深い分野でしたので、特に積極的に取り組んできました。


最近、塾で分析を行った好業績/高収益企業でも、「におい」に関する事業セグメントが、



「2ケタ成長(Double Digit Growth)」

だったところが、いくつかありましたね。



課題解決思考(1) で取り上げた「わさび」の香りを利用した製品は、まだ多くないようですが・・・



塾で以前議論しましたが、


「においは、より ”本能” に近い部分とつながっている感覚」


であることを、どう生かすか。これが


「においの強みを生かした製品」


開発のKSFだと思います。



塾での議論は、


✔ 企業に入り、自分で研究テーマ/新製品を企画する

✔ 起業する
✔ イノベーションを主導/推進する立場に立つ

際、方法論だけでなく、そこで議論したニーズや技術シーズについての内容も、5-10年後まで役に立ちます。



「長期投資」


の視点に立ち、しっかり活動し、


「短期的にも成果を出す」


ようにしましょう。



引き続き、よろしく。



※ 過去の教材は、「Kawasaki時代」「小松時代」「ベンチャー時代」の経験や方法論にもとづく部分もありましたが、今回の「課題解決思考(1)」含め、改訂を重ねるごとに、「発明塾での討議/発明実績」にもとづく割合が、増えてきました。

  塾生とともに、日々の実践を積み重ねてきた成果がどんどん形になっています。6年前の「発明塾」開始当初から意図していたことであり、また、当初計画よりは少し遅れていますが、個人的には、嬉しい限りです。
  「人まね」「横文字を縦文字にする(欧米の有名手法の翻訳)」「耳学問止まり」は、子供の頃からの習慣のせいか、個人的にあまり好かないので、今後も、「自ら実践し、効果を確認し、指導し/共に実践し、実績が出て身につく教材を、机上の空論を排して提供する」ことを、日々追求していきたいと思います。