「発明塾®」へようこそ!: 2017

2017年12月22日金曜日

大学教育を見直す~「AI育ち」時代/21世紀の学習法(続編)/発明塾第411回

今回も、持ち込まれた発明提案書をベースに討議を行いました。
締め切りまであと数日、是非間に合わせましょう。

討議でポイントの一つになったのは、

「自身の発明の本質は何か」

という点でしょうか。

Milestone

とは、そういうことだと思います。
(何を証明することが、重要であるか)

もう一つポイントを挙げるとすると、

Technical Gap

になりますが、これは、先読みの話です。

「いつ頃、自身が予測した未来が来るか、そのためのインフラが整うか」

が、先読み発明の肝になるからです。

この、予測した未来が、どんどん早めに訪れるようになるのが、今の時代の特徴だと考えています。シンギュラリティーが近づいているからだ、とする人もいます。少なくとも、様々な技術が

「加速度的に進歩している時代」

であることは、間違いないように感じます。





● 「Born Mobile」から「Born AI」へ~モバイルからIoTAI


Qualcomm CEO ポール・ジェイコブズ が、数年前のCES

We're Born Mobile

というキャッチフレーズを使っていました。

いまからだと

Born AI

という感じになるのかな、と思っています。

あるいは、

「モバイル生まれのAI育ち」

という層が、人も企業(Start-Up)も、増えてくるのかなと。

発明塾(学生版)、あるいは、企業内発明塾での討議では、関連するところとして、

「画像」(VR含む)
「ブロックチェーン」
「ウエアラブル」

などのトピックを取り上げることが増えています。

また、

「いつでもどこでも(場所を問わず)、誰でもXXできるようになる」

のような文脈で、上記のようなトピックを取り上げることが増えています。

以前であれば、

「ユビキタス」

と呼んでいたのでしょうか。

(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。

今回は「年末に読む」シリーズです。
もうギターを持つことは無いのですが、
音楽の経験は、発明に活かされているので、
その謎を解くために、読みます。


● 21世紀の学習法~エッジから始める


前回も取り上げましたが、これだけいろいろな技術が加速度的に発展し、また、新たな分野が次々生まれるようになると、

「学び方」(学習法、熟達法)

も、変わらざるを得ない気がしています。

働き方も変えないと、学ぶ時間も取れない、というようなことも議論されているようですが、そもそも旧来の学び方では間に合わない気がしています。

20年ぐらい前の僕は、

「どこかのタイミングで、ビジネススクールでも行くか」

と思っていました。しかし、どこかに行って誰かに何か教えてもらうのでは、もはや間に合わない、と感じています。

別に独学をすすめているわけではありません。

「誰かと共に学ぶ」

は、依然として有効だと思います。

重要なことは、

「結果を出し続けながら学ぶ」
「いきなり最先端から学ぶ」

ことではないかなと、考えています。
(発明塾で言う、「エッジ情報から入る」です)

今後は、大学での学びも、変わってくる気がしています。基礎的なことは、eラーニングで自ら学び、大学では

「最先端について、創造・討議しながら、学び、結果を出していく」

ような形になるのではないかなと、予想しています。

僕の京都大学での講義も、いずれは

「まず、エドワード・ライフサイエンスの、TAVI(カテーテルを用いた心臓弁置換)における最新の取り組みを見てみましょう」

から始まり、

「カテーテル」
「金属ワイヤーの疲労、残留応力」
「放射線医学」
「ロボット」
「流体力学(血液の流れ)」
「幾何学(折り紙/ステントやバルブを、細長く折りたたむ)」

などについて、順次学んでいきながら、

「新しいカテーテル手術」

についてアイデアを出していくようなものに、なっていく気がします。

そういう講義を先取りしてやりたい、という大学関係者の方がおられましたら、ぜひ、弊社宛お問い合わせください。

お問い合わせはこちら

次回は年明けの予定です、良いお年を。



楠浦 拝





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2017年12月16日土曜日

21世紀の学習法と20世紀の学習法~発明塾第410回

年内あと少しですね。
締切もありますので、先を急ぎましょう。

今回は、持ち込まれた発明提案書をベースに討議を行いました。
繰り返しですが、

「相手の頭に、どのような順序で情報をインストールすると、短い時間で、正確にわかってもらえるか」

も、SRSolution Report:発明提案書)を書く上で、とても重要なポイントになります。

・構成
・表現

について、紹介済み参考図書を参照しつつ、仕上げてください。

さて今回のBlogでは、先日、小塚さんと話した内容を、皆さんとも共有しておきます。
発明塾では繰り返し言っていることですが、メンバーが入れ替わっていますので、再掲も兼ねて、書きます。


● 21世紀の学習法とは?~過去のインフラに縛られ「陳腐化」した手法は捨てる

これは、僕が発明塾で皆さんにいろいろなことを学んでもらう中で、気づいたことです。

ひとことで言うと、

20世紀の学習法=古典を学んでから、最先端の取り組みを学ぶ」
21世紀の学習法=最先端を知ってから、それを理解するために、古典を学ぶ」

になっていると感じています。

発明塾でも、かつては

「これぐらいは知っておかないと・・・」

という古典や定番の図書を数多く挙げていました。

多くは、僕や初期の塾生の経験にもとづいていました。特に僕の場合

「本以外に、知識を得る方法が無い時代」

に、学生時代の大半を過ごし、それで、そこそこ成果を出しています。結果として、そのせいで、手法として完全に陳腐化していることを、(偉そうに)教える羽目になっていました。

最近、再び反省しています。
(一方で、特許情報分析は、今まさに、学んでもらう意味がある手法だと感じています)

最近では、ブロックチェーン技術や医療用/移動用ロボットの最先端動向などを度々議論していますが、過去の手法にこだわり

「まず、定番の本を読んで、歴史や全体を俯瞰して・・・」

とやっていたら、いくら時間があっても足りなかっただろうなと思っています。

知識獲得スピード、というか、読書スピードにはそこそこ自信がある僕ですら、時代の流れが速すぎて、かつ、新たな分野が次々生まれ、実務で求められる知識が広範になり過ぎて、もはやついていける気が全くしません。

特許、論文、IR資料など、

「最先端情報」

が、無料、かつ、いつでもどこでも大量に手に入る時代ですので、そこから入った方が早いというのが、ここ5年ほどの取り組みを振り返って、改めて感じることです。

また、そもそも日本の高校のカリキュラムは意外によくできているので、発明塾で取り組んだ発明の大半は、高校の教科書を完全に理解していれば、答えが出せました。
(解くべき問題を設定する、つまり、最先端を知り「課題を先読みする」ことに、多くの時間を要していました。)

僕も、前職で細胞培養容器の開発に取り組んだ際、最初に読んだのは、高校の生物の教科書でした。その後、


しなければならない、最先端の先行研究の論文を読みながら、細胞生物学の専門書を読み漁りました。

「時代により、学び方は大きく変わる」

アタリマエのことですが、

「意識的に変えていく」

ことを、もっと心掛けたいと思っています。

特に1995年~2000年ぐらいを境に、インフラが劇的に変わっているので、僕が教わり、それで成功した(?)、いや、少なくとも慣れ親しんだ、過去の

「学習法」
「情報収集法」

などは、完全に陳腐化していて全く役に立たないと、若い人と毎日のように議論していると、痛感します。

よく言われる

「アンラーン」

を繰り返し

「若い人に学ぶ」

しかないなと、改めて感じています。

(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。

今回も「現在、読んでいます」
いや、「ほとんど読めておらず、年末に読む」シリーズです。
左の本は、小塚さん推薦図書です。



● 学び方を自分たちで生み出してきた「発明塾」~時代を感じているからこそできること

「若い人に学ぶしかないんですよね」

とか

「時代がそうなってるんだから、それに合わせて新たな方法を編み出すしかないですよね」

という話をすると、

「柔軟ですね」

という感想をいただくことがあります。先日も、発明塾発展に貢献いただいたある方のイベントに参加して、私よりはるかに若い方々と、一緒に作業をし、議論をしていたら、同じような感想をいただきました。

発明塾の強みは、

「その時代のことを、一番、肌で感じている世代」

が、手法やインフラを作っていることだと考えています。

形にする部分、あるいは、それが理に適っているかどうか確認する過程では、僕のような老人も貢献していますが、それ以外では

「塾生に学ぶ」

ことが、僕の役割だと考えています。過去を知っているからか、

「世の中で今、正とされていることの、何が ”実は” “誤になりつつある” か」

は、僕のような老人の方が見えやすい部分もあると感じています。ですので、彼らに学びつつ

「気付きをフィードバックする」

ことにしています。
(変えていくのも、彼らの仕事です)

「僕はこうしていましたよ」

ということも、よく話しますが、それは

「では、その中で、今でも正である部分、今は誤である部分は何か」

考えてもらうための

「材料」

でしかありません。繰り返しですが、

「インフラ」

が完全に変わっているので、

「使えないアプリ」

も、大量に発生していると、僕は考えています。
(それが何か、僕にはすぐに判断できないので、若い人に学びます)


少し脱線しましたが、

・課題に取り組みながら(解決しながら)、学ぶ
・最先端情報から入る

皆さんも、肝に銘じて取り組んでください。


楠浦 拝




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2017年12月10日日曜日

発明に名前を付ける/投資部「1年の振り返り」~発明塾第408回/発明塾第409回(投資部第32回)

発明塾アイデア討議、および、投資部参加の皆様、お疲れ様でした。


● 発明に「名前」をつける

アイデア討議では、

・ ブロックチェーン技術
・ 動きをセンシングする技術

について、各自の発明提案書をもとに、討議を行ないました。


「特許の読み方」(e発明塾「本質から学ぶ特許概論」

のような研修を、これまで多くの企業で行ってきた経験から、

「目の前の発明が、どのような要素から成り立っているか」

を的確に捉え、それを提案書に表現する最初の一歩として

「発明に、自身で名前を付けてみる」

のがよいと感じています。


発明提案書を書く(特許を書く、と呼ぶ方もおられます)ことと、特許を読む(特許公報を読む)ことは表裏一体だと、これまでの多くの方への指導経験から、実感しており

「特許(特許公報)を読み慣れれば、ある程度、発明提案書(特許)が書けるようになる」

ものですし、

「ある程度、発明提案書(特許)が書けるようになると、特許(特許公報)を、より効率よく、かつ、深く読むことができる」

ように、自然となります。


その一歩目が、

「発明に、よい名前を付ける」

ことです。


2017年の振り返りとして、各自、今回の発明がどのように出て来たか、また、発明提案書にどのように落とし込んだか、まとめておくとよいでしょう。

将来、特許を書く時、あるいは、研究計画や新製品・新事業の企画書を書く時が来ます。その際、必ず役立ちます。


 
(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。

2冊とも、現在、読んでいます。
年末年始に読み終える予定です。
レイ・ダリオの著書については、
「原理原則」について考えるよい機会にしたい
と考え、読み進めています。


● 投資部「一年の振り返り」

いろいろな視点で、この一年の活動を振り返る機会になりました。

時間の都合で、以下3つしか取り上げられませんでした。

・ブロックチェーン技術とビットコイン
・中国
・朝日インテック、日本ライフライン、インテューイティブサージカルなど、低侵襲医療関連

本当は農業関連も取り上げたかったのですが、それはまた来年でよろしくお願いします。

僕が個人的に、投資部で議論したいことの一つは

・継続的に成長する企業が、どのような「エコノミックモート(経済的な堀)」を持つか
・優れた投資家が、企業や事業を評価する時の見方/考え方

です。

後者については、この一年は特に

「レイ・ダリオ」

に注目してきました。彼は「原理原則(Principle)」にこだわっており、僕と考え方が似ていると感じます。

来年も引き続き、

・起業アイデア
・投資アイデア
・投資先企業の評価
・市場/技術の最先端動向

について、分野を問わず議論していきます。

今回忘年会参加いただいた方は、起業した方、および、起業を考えている方、でした。起業アイデアについての持ち込み討議も大歓迎です。

発明塾全体としての、一年の振り返りは、おそらく年末年始あたりに書くと思いますが、投資部は今年最後でしたので、ここで一旦まとめておきます。

では、引き続きよろしくお願いします。

楠浦 拝



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2017年11月26日日曜日

先行例との「差分」で本質を考える/発明の名称を考える~発明塾第406回/発明塾第407回(投資部第31回)

発明塾アイデア討議、および、投資部参加の皆様、お疲れ様でした。

アイデア討議では、これまでの続きで

・ ブロックチェーン技術
・ 動きをセンシングする技術

について、討議を行ないました。

発明の本質について考えてみる上で、

「名前を付けてみる」

ことは、非常に大切な作業だと僕は考えています。

・ これまでにない、何がある発明なのか
・ 要するに、どういうものなのか

を、限られた文字数で、初めて見る人に分かりやすく表現しようとすると、本質が何か、見えてきます。

また、繰り返しですが、(エッジな)先行例が見つかったところから

「先行例(先行技術)と、自身のアイデア/目指しているところ、との差分」

に注目し、

「何を変え、何を変えるべきでないか」

を、

「自身が考えている発明の固有性」
(今回は、Situ/シチュエーション* の固有性)

にもとづき考えることが、重要です。

そのためには、

・ 先行例のSitu/シチュエーション
・ 自身がアイデアを出したいSitu/シチュエーション

について、物理や化学などの理論も含め、理解しておく必要があります。

(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
どんなものにも、「理論」(理屈)がある。
そう思っておいて、まず理論を調べに行く。
そこから始める。


これらの理解がないと

「なんか、ごちゃごちゃとした発明」

になってしまいます。
(小学校の工作的発明、と呼ぶことがあります)


投資部の方では、持ち込みにもとづいて討議を行いました。

今後、社会がどのように変化していくか、その先読みも投資部で継続的に行っていきたいと考えています。

その中で

「よい手を打てている」
「よい手を打てる」

企業を探し、戦略を見抜き、評価する。

そんな風に、進めていきたいですね。

また、個人的には、そもそも討議開始以来取り上げた企業が、

「その後どれぐらい、業績を伸ばしているか」

が非常に気になっています。

次回はリアル討議とし、忘年会もかねて、振り返りを行いたいと考えています。

また、告知いたします。

では。


楠浦 拝

*「Situ/シチュエーション」は、TechnoProducer株式会社の登録商標です。



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