「発明塾™」へようこそ!: 2月 2017

2017年2月26日日曜日

「3つ」の読書術~(続)わかる・できる・続ける/(再)べからず集

OB・OGはもちろん、企業内発明塾の方も含め、

「本を読む」


のが好きな方が、比較的多いように思います。


一方で、小塚さんが、討議の中でよく触れているように


「アウトプット」

(で、インプット”し過ぎ”の罠から逃れる)

ことも、重要です。


僕が、このBlogを書くのも


「アウトプット」

(による、知識の整理)

かもしれません。


「発明のプロセスを振り返り、ノートをつけるように」

(”発明ノート”ではなく・・・)

というのも、同じでしょう。


発明、というアウトプットも重要ですが、それを


「続ける」


ためのアウトプットも、重要です。


で、題記です。




● 読書術には「3つ」ある


以前、遅読・・・という話をしました。


切り口を変えて、3つの(僕の個人的な)読書術を紹介します。


これは、以前紹介した


わかる・できる・続ける


という考え方に沿ったものです。


個人的に、25年以上実践しています。


かつ、今まで、あまりお話したことがありませんでした。

(アタリマエだと、思っていたので・・・)

3つ、とは


1)新たな情報を入手する(わかる)

2)頭を鍛える(できる)
3)思考の外注先を確保する(続ける)

です。順に行きましょう。




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ネー0「ラムジェット」エンジンを開発した川崎重工は、
その後、「走行風加給」という斬新なコンセプトにもとづく
オートバイを次々に開発し、「最速」の王座に君臨し続けます。


● 新たな情報を入手する(わかる)


何の変哲もない、いわゆる


「情報収集」


のための読書です。最先端であるか、基礎であるかを問わず、一定量の読書は、この分野に割かざるを得ません。


以前の発明塾においては、この分野の読書を重視していましたが


「エッジ情報」

(仮説検索)

の考え方が普及してからは、


「発明を創出しながら、知識を身につける」


というスタイルに変化し、読書で事前に身につける、という考え方は薄まりました。


では、


「本を読まなくて良くなった」


かというと、そうではなく、以下へ重点を移してほしいと考えます。



● 頭を鍛える(できる)


小塚さんが、


「現在、まさにこれやってます」


と仰っていました。

(と、僕は理解しています)

例えば、著名な経営者の伝記などを読み


「自分なら、その時、どうするか」

「なぜ、そういう判断を行ったのか」

など、


「当時の状況を思い浮かべ、疑似体験し、思考力や判断力を養う」

「必要な知識を、”擬似的に”活用する」

ような、ある種の


「イメージトレーング」


を行います。


頭脳を鍛えるための読書、と言えます。



● 思考の外注先を確保する(続ける)


もともと、僕はこれを

「親しい友人との対話」


を通じて、行っていました。



僕はよく、


「XXさんなら、どう考えるかな」


という


「問い」


を立て、


「自分の頭のなかにいる”他人”」


から、答えを引き出します。



これを行うために、


「多くの人を、自身の頭のなかに住まわせる」


必要があるのですが、その一部は


「読書」


を通じて、行っています。



ちなみに、僕の友人にも、同じようなことを行っている人が結構いて、中には


「楠浦さんに相談しようと思ったんだけれど、たぶん、楠浦さんなら、XXって言うと思ったので、結局、相談しませんでした」


みたいな報告が、後日届いたりします。


複雑な気分になりますが、話を聞くと


「たぶん、そういうと思う」


という結論になるので、僕は


「色々な人の頭のなかに、住まわせてもらっている」


ようです。



3つの読書、うまく使い分けてくださいね。


実は、

べからず集

も、

「他人を、自分の頭に住まわせる」

ためのものです。

単なるチェックリストとして使っている間は、

「漏れ」

が出ますが、

「指摘をもらった人を、頭に住まわせる」

ことができれば、漏れはなくなります。


べからず集を用いて仕事をチェックする際、

「楠浦さんなら、なんと指摘するか」

を、KSQにしましょう。



楠浦 拝



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2017年2月24日金曜日

「特許公報の束」をカバンに詰めて・・・~特許情報分析とは?(発明塾第365回/366回/投資部第15回)

2回分で失礼します。

日曜日の投資部は、前回に引き続き、ある事業アイデアのビジネスモデル検討を行いました。M&Aも含めた、事業参入の選択肢を、一つ一つ検討しました。

木曜日の発明塾では、アイデアコンテストに応募する発明提案書の討議と、現在注目している分野のエッジ情報探索を行いました。


討議後、塾生さんから

「自分には、検索能力が不足している」

という発言がありました。

小塚さん、安富さん曰く

「彼の力が不足しているわけではなくて・・・」

とのことでしたが、発明塾で

「スピード感ある議論」

をするために必要なレベル、という意味では、やはり

「不足している」

という表現が適切かもしれません。

理由はいろいろあるでしょうが、

「特許情報」

についての理解も、まだまだ、足りないのかもしれません。

で、タイトルの話になります。



● 「特許情報分析」とは?

発明塾における、特許情報分析の歴史は

「僕の個人的体験」

に、遡ります。概要は、以下論文の通りです。

特許情報を用いた技術マーケティング(TMJ誌より)

現在は、実際の特許分析結果をご覧いただきながら、僕が行った特許情報分析、および、情報分析にもとづいた企画作業を

「追体験」

してもらえる講座を開発しました。

e発明塾 開発テーマ企画・立案における特許情報分析の活用

上記論文は、既に10年前に公開されていますし、その後も、上記論文にもとづいて特許情報分析を提供される業者さんも続々現れましたので、僕、および、TechnoProducer株式会社では、特許情報分析や特許調査は行わないことにしてきました。
(誰でも出来ること、になっていると判断したためです)

しかしながら、最近、また

「特許情報を分析してほしい」
「特許情報分析にもとづいた、開発テーマ選定/技術マーケティングを支援してほしい」

という声*が、増えています。
(* 弊社に対するもの、です)

ご依頼のお話を聞いて思ったことを、以下に記しておきます。


● 調べるのは簡単、問題は「どうアクションするか」

以前から、特許情報分析の依頼があると、必ず、僕の個人的な経験談をお話しすることにしています。

「何のために、特許情報を分析するのか」
「特許情報を分析した後に、具体的に、どのようなアクションを起こす必要があるのか」

を、明確にイメージしていただきたいからです。

そのためには、

「個人的な経験談を、ありのままに、じっくりお話する」

ことがベストだということに、ある時、気づきました。


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安富さんが、僕に
「ジブリの仕事術がオモロイ」
ことを教えてくれました


● (経験その1)特許公報をキャリーバックに詰め込んで、全国を行脚

よくお話しするのは、2000件ほどの特許公報を読み込み、特に有用と思われる情報が記載されている公報をまとめたキングファイル(多数)を、

「キャリーバックに詰め込んで、全国津々浦々にヒアリングに行った」

経験です。これは、本当に有益な経験でした。

当時、面談を申し込んだ方に断られたことはなく、また、その中の多くの方に、自分たちが開発している技術が

「どう使えるか」
「本当に使えるか」
「試してもらえないか」

について、腹を割って、かつ、

「サイエンスの側面も含め」

議論していただけたことに、大変感謝しています。

10年以上たった今でも、一部の方とは、お付き合いがあるぐらいです。

詳細は割愛しますが、

「会う前に、調べておく」

ことの意味というか、

「会う、という貴重な機会を生かすための情報分析」

について、

「悟り」(大袈裟ですが・・・)

を得た気がしています。

これは、現在の発明塾の運営方針

「集まる機会を、最大限、レバレッジする」

に、つながっています。



● (経験その2)先行他社の「中途半端な製品」を参考に、コア技術の本質を深堀し、強みを生かした製品を開発し上市

あまり書くと、その先行他社の方が気を悪くされるかもしれませんので、詳細は、お会いした時にお話しすることでご容赦いただきたいのですが、当時、

「技術の売り込み(マーケティング)」

と同時並行で

「自社製品の開発」

も、行っていました。現在、発明塾で

L.O.P(ラストワンピース)

と呼んでいる考え方の原型ができたのも、この開発の時です。

まったく同じ技術を用いて、同じ課題を解決する製品を開発していたにもかかわらず、先行他社が

「完全に見落としている、細胞の科学についての視点」

に気付いたときは、

「興奮が止まらなかった」

ことを、今でもはっきりと思い出します。

「あれほどの企業が、なんで、気付かへんのやろなー」

と、開発メンバーと何度も

「念押し」

の議論をした上で、開発に踏み切りました。

発明塾で、僕が口癖にしている

なんで、まだ無いの?

という視点も、この開発の時に、叩きこまれました。

この開発テーマは、資金調達も上手く進み、その後、事業売却(エグジット)されています。



お会いすると、まだまだいろいろなお話をさせていただくのですが、長くなってきたので、今回はこの辺で。


塾生さんは、ぜひ、続きの話など、積極的に質問してください。
僕にとって、上記のような話は、(多くの案件を通じ)日常茶飯事であり、完全にアタリマエになっているので、自分から積極的に話題を振ることはないと思います。でも、聞いてくれたら、それはそれで、喜んで答えます。


楠浦 拝



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2017年2月17日金曜日

「毎週ある」のが、発明塾~「わかる・できる・続ける」の 3-Step(発明塾第364回)

今回は、僕と小塚さん(塾長代行)は、業務の都合で出席できず、安富さんに運営をお願いしました。

安富さん、ありがとう。


これまでも、僕が参加できず

「自主開催」

は、度々ありました。

この点、人によっては疑問を持たれるようです。

「休み」

にしたらいいのではないですか、という質問をもらったことがあります。


で、タイトルになります。



● 「毎週」が重要

僕が、

「フランクリン・プランナー」

の愛用者であるという話は、これまで度々(たびたび)しています。

重要なことは、なぜ

「”7つ”の”習慣”」

か、ということでしょう。例えば、なぜ

「法則(Law)」

ではなく、習慣(Habit)なのか、と考えてみても良いでしょう。

僕が、どんなに忙しくても、発明塾を

「休み」

にせず、自主開催であっても

「開催」

するのは、そういうことです。

小塚さん、安富さん、他OB/OGの大半が

「毎週やることに、意味があった」

という感想を持っているようです。

どんな意味があったのか、聞いてみたいですね。
(チョット意地が悪いかな・・・笑)

また、小塚さんを塾長代行、安富さんを投資部の責任者とし、毎回討議に参加してもらい、かつ、運営してもらうようにしているのも、同様の理由です。投資部発足の理由にも、そもそも、OB/OGが毎週議論できるように、ということが含まれています。
(投資部について、楠浦が主催?するのは、隔週にしてもらっていますが・・・)


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「直感と演繹(推論)」について、よく考えます。



● 「一緒に成果を出す」ことを、最優先にする

もう一点、僕が発明塾で最優先にしていることは

「結果を出す」

ことです。結果を出す簡単な方法の一つ、しかも、比較的簡単な方法の一つに

「僕が、発明を出す」

があるのですが、もちろん、それでは”塾”の意味はありません。

「一緒になって、発明を出す/仕上げていく」
(一緒に成果を追求する)

ことが、大事だと思っています。

一緒に成果を出そうよ」
その過程で、互いに、学ぶことが有るから)

常に、そう呼びかけてきました。

もちろん、行き詰ったときは、常に

「まず、自分が成果を出してみせる」

ことを、心がけてきました。
(これからも、そうでしょう)

立場を超えて、

「同じ釜の飯を食う」

みたいなイメージで、取り組んでいます。


どの塾生も、最初から発明が出来るわけではありません。

また、発明を創出するプロセスの一部において、顕著に

「得手・不得手」

が出ます。

「一緒に成果を追求する」

なかで、

「自分なりの、発明創出法」

を見出し

「偶然を必然化」

していってもらうのが、

「発明”塾”」

だと思っています。例えば、

「発明”教室”」
「発明”指導”」

ではない理由について、考えてみてはどうでしょうか。


僕の、非常に個人的な

「塾生」

経験、および、塾での英語講師経験から

「塾」

という形式がぴったりだと、感じています。



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2017年2月11日土曜日

目の前の「1つ1つ」に集中する/逆境をアドバンテージに変える~発明塾第363回(投資部第14回)/第364回

2回分で、失礼します。

日曜日に行われた投資部は、久々の

「リアル」

でした。投資部での討議における

「気付き」

から生まれた事業アイデアについて

「フィージビリティースタディー」

を行いました。

「必ず勝てるポイントがどこにあるのか?」
(そもそも、そういうポイントがあるのか)

に集中し、思考を巡らせました。


木曜日の発明塾では、引き続き、ある技術の

「用途探索」
(新たな応用先/市場を見出す)

に取り組みました。

よい発明が出たため、早めに切り上げることが出来ました。
(後は、個人作業です、しっかりね)

150名以上の塾生を見て感じることは、

「毎週」

きちんと準備、および、

「振り返り」

を行っている塾生さんは、6か月程度で

「スジの良い発明を、自力で出せるようになる」

ようです。

「1万時間の法則」

に比べると、ずいぶんと安上がりな気がしています。



● 目の前の「1つ1つ」に集中すること

発明塾では、入門的な課題の一つとして、ある技術の

「用途探索」

を取り上げることがあります。理由はいろいろありますが、

「用途が多岐に渡る」

ため、学生さんは

「勉強になる」

という点が、気に入っているところです。ただ、多くの学生さんは、当初

「自分の知識の範囲で、なんとかしよう」

とします。知識や、頭脳に自信があるであろう学生さんほど、それにはまります。

次に、

「やみくもに、勉強しよう」

とします。いわゆる、付け焼刃詰込み的な手法です。

その後、

「エッジ情報探索」

が重要であることに、気づいてくれます。
(効率が良いからです)

このパターンは、全員が通る

「通過儀礼」

のようです。迷いなく

「発明塾の手法に、熟達する」

ためには、一度、迷う必要があるのでしょう。

僕の知る限り、小塚さんは、ここを通らなかった気がします。
(今度、彼に聞いてみましょう)



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かれこれ、もう10年程かかって読んでいます。
まだ、煉獄編の途中です。


● 逆境をアドバンテージに変える

ある書籍から転記したのであろう言葉を、

「楠浦メモ」
(周りから「ハンバーガー」と言われた、フランクリンプランナー内に蓄積されたメモ)

から発掘しました。

「その瞬間にしか学べないことを最大限に利用し、逆境をアドバンテージに変える」

これを、僕はたまに、意図的に用います。

「メモをせずに、議論を整理する」

も、その一つです。

本当に重要な論点に絞り込み、繰り返し頭の中で

「反芻」

する必要があることが、気に入っています。

「絵を描いて、わかったつもりになる」

ことも、防げるようです。
(30代前半のころ、僕は完全にこれにハマっていました)

僕の読書術も、

「逆境」

利用式です。読みかけの本が常に数十冊あるような、

「多読遅読」

がお気に入りです。以前、読書家として名高い方から、

「途中で忘れてしまうでしょう」

と指摘を受けました。

「はい、忘れます、それがいいんです」

と答えました。何がいいかというと、少なくとも僕に限っては

「忘れるので、思い出そうとする」

ことで、理解が深まり、(逆説的ですが)記憶にも残るようです。

以前は僕も、

「集中して(?)、一気に読む」

ようにしていたのですが、どうも、自分の脳?の容量?や処理速度からすると、無理があることに気付きました。

それ以来

「忘れては、思い出し」

を繰り返しつつ読むことを、楽しんでいます。


塾生さんには、発明塾必須図書は、一旦素早く読んでおいてほしいのですが・・・。


では、次回もよろしく。


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2017年2月5日日曜日

「設計(Design)」という仕事~「オートバイのエンジン設計」で学んだこと/発明塾第363回

今回も、持ち込みアイデアについて、討議を行いました。

発明塾で


「簡易SR(Solution Report)」


と呼んでいるフォーマットに従って、簡単な発明提案を作成し、持ち込んでもらいました。


「課題の証明」


は、だいたい完了していましたね。



今回の討議で重要だったことは


✔ 「解決手段の仮説」を立て、さらに先行例を調べる

  (「ラストワンピース/L.O.P」にたどり着く)

✔ 「ラストワンピース(L.O.P)」の解決手段を、見出す


ことでしょうか。




● 「ラストワンピース(L.O.P)」にたどり着く


結局は


「調べる」


ことに尽きるのですが、本当のところ


「誰が、どこまでのことを考え、製品化しているのか」


を把握することが、最も重要です。その際


「一つ、具体的なシチュエーション(Situ)に絞り込む」


ことが、とても大切です。


今回は


「乳がん」


に、注目しました。




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この映画を見ると
「人を見る」ということについて、いつも考えさせられます。
仕事に関わることで「脅迫」を受けたことが、少ないですが
何度かあり、節目節目で見直す映画です。
「人を見る」「人を選ぶ」そんなことを考えたいときに、どうぞ。


● 解決手段を見出す


あれこれ、手法を解説するより


「やって見せる」


ことが、時には早道になると、いつも感じます。


5分間の時間をもらいましたが、


「これぞ」


という解決手段を見つけることが出来ましたね。


「キーワードを、どう作り出すか」


が、とても重要であること、および、それさえ上手く行けば


「瞬時に解が見つかる」


ことを、実感してもらえたかなと思っています。



5分で、ささっとやって見せたので、あっけなさ過ぎて、ちょっと面食らったかもしれません。

試行錯誤の過程も解説しましたので、

「一発で見つかる」

わけでも

「何時間もかかる」

わけでもないことがわかってもらえれば、良かったかなと思っています。


手品ではありません、したがって


「種も仕掛けも、ありません」

(事前に調べていたわけではない、ということです、というか、事前に調べようがありません)

というところです。正しい指導を、適切な時間受ければ、


「誰でも、できる」


ようになります。

(僕の場合、完全に独学でしたので、それなりに時間がかかりましたが、塾生さんは皆、まじめにやってもらえれば、3‐6ヶ月で同じレベルにたどり着くようです)


後半、いろいろ話をした通り、実は、発明塾の発明手法の一部は、僕がカワサキ時代に


「大型オートバイのエンジン開発/設計」


の仕事をしていたころに身に付けた


「仕事術」


に、源流があります。少し補足しておきましょう。



当たり前のことですが、


「発売日が決まっている(というか、刻々と近づいている)」


にもかかわらず、テストの度にエンジンは壊れ続けます。

(正確には、壊れるまで、とことんテストを行います、ということなのですが・・・)

「ギリギリ」


の設計をしているので、


「壊れたものをなおす」


中で、最適解を探っていくしかありません。

(機械というのは、多くの場合、壊れたところをなおすと、別のところが壊れるようにできています、つまり、「バランス」が重要です)


問題を解決できる技術は、多くの場合、社内にはありません。

(あったら、最初から問題は起こらないからです)

したがって、材料メーカーの方、部品メーカーの方に


「今ここに、AAという機種のXXの部品があって、YYが原因と思われる破損を確認しているんですけれど、ちょっと相談にのっていただけませんか」


という電話、あるいは、


「図のような形状、書き込みしてあるような仕様を満たす部品を、XX月XX日までに・・・」


のようなFAXを、曜日や時間は関係なく、手当たり次第にかけまくる(送りまくる)ことになります。



例えば僕の担当機種で、


「空冷」


のエンジンであったため、熱的に非常に厳しい条件におかれ、特に


「油脂」「樹脂部品」


でトラブルが頻発したことがありました。


「2気筒」


だったため、振動もひどく


「熱と振動」


に常に悩まされるという、材料選定が非常に難しいエンジンでした。従来のエンジンで利用していた部品や材料は全く役に立たず、また、10年ぶり以上の空冷エンジン開発ということで、開発は難航しました。


「今までにない、まったく新しい材料のアイデアを持ち込んでくれそうなメーカーさんを探そう」


と思い立って、いくつかのメーカーさんにお声かけし、応えていただいたのが


「NOK(日本オイルシール工業)」


の方でした。当時、神戸営業所の方に、別件で度々ご迷惑をおかけしていたのですが、迷惑ついでに


「まったく関係ない部品で恐縮なのですが、もし、お宅で、こういうスペックの材料持っておられたら、サンプルが欲しいんですけど・・・開発は終盤にもかかわらず次々に問題が起き、とても困っておりまして・・・」


とFAXさせていただいたところ、すぐにお電話いただき、また、すぐにサンプルを持参いただきました。その後、コストは大幅に上がったものの、無事問題を解決できる部品を、新たに開発することができました。

(特殊なグレードの、「フェノール樹脂」とのことでした)


「耐熱性が高く(300℃)、熱伝導率が低く、弾性率はそれほど高くなく、耐摩耗性が高い材料」


って、たぶん、そんなに選択肢は無いと思うんですよね、ちなみに・・・。



その後もたびたび


「行き詰っているということは、異なる分野に、解決策を求めなければならないということ」

を痛感する出来事が、ありました。


「中途半端に、自分の知識に頼らない」
「専門家ではなく、異分野」

これは、僕が

「設計」

という仕事を通じて経験的に学んだことであり、発明塾の発明法の

「原点/源流」

ともいえる考え方の一つです。


当時は、FAXや電話しかありませんでしたが、今なら

「検索しまくる」

ことに、なると思っています。


今後も、こういう話を織り交ぜながら、

「発明」

を生み出していきたいですね。



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