「発明塾®」へようこそ!: 1月 2018

2018年1月20日土曜日

「落としどころ」を探らず、「いま・ここ」に集中する/近況報告~発明塾第413回/414回

413回は、移動の都合で新幹線から文字にて、また、第414回は体調不良により不参加とさせてもらいました。

414回のログを見ました。
良い議論になっているようで、この後の進め方も特に心配はしていませんが、いつも思っていることを、改めて書いておきます。

マインドマップに、アイデアをすべて書き出しておく
できれば、「課題-解決」構造図形式で、かつ、各種参考資料(エッジ特許など)リンクもきちんと貼っておくのがよい気がします。
(というか、楠浦はこの作業の中で、思考を整理し、本質をえぐり出していくことが多かった)

ログを振り返り、太らせておく
上記作業をやろうと思うと、討議ログ内のリンクなどを読み直し、改めて気づいたことをメモして調べ直す作業を、繰り返すことになります。
これも同じく、過去楠浦が発明に没頭していた頃、必ず行っていたことです。
(現在残念ながら、それほど没頭できる環境にありません)

やり方は人それぞれなので、どれがよいということはありませんが、自分で

「上手く行ってない」
「何か足りない」
「もっと、”飛躍的に”上手くなりたい」

と思うのであれば、他の人が行っていることについて、どん欲に試してみるのは良いでしょう。

「飛躍」

が必要かどうか、によるかもしれません。

自分の手法にこだわっていても、改善や漸進は達成出来るでしょうが、何事も飛躍は難しいかもしれません。
(この意見自体、やはり僕の経験にもとづくもので、誰にでも当てはまるかどうかわかりませんが)

例えば、企業内発明塾で

「グダグダのアイデアを、どれだけその後議論しても、ピカピカにすることはできない」

という話をすることがあります。

完成度は高くなくてよいのですが、

「課題」
「新しさ」

の点で、よいアイデアを起点にしないと、後が大変です。


そうでないアイデアは、討議の結果、全然違うアイデアになっていきます。

まぁ、それはそれでよい、と僕は思ってますが、アイデアを持ち込む側の皆さんがそれに甘んじるなら

「(自身の)進歩をあきらめた」

ということになります。


「飛躍は、できるだけ前工程で起こす」

のが鉄則だと、僕は、エンジン設計の仕事を通じ学びました。

これは、アイデアにも皆さん自身にも当てはまると、僕は考えています。



 (画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムを利用して画像を引用することにしました。
「行間を読むことではじめて、あなたはこの本を読破する」
ことになるでしょう。つまり、行間が読めるだけの経験が無ければ
この本を読んでもあまり役に立たないということになります。
では、皆さんは何のために、本を読むのでしょうか?
「アート」の領域に属するスキルについて、本を読むのは
何のためでしょうか?


他、近況報告を兼ねて直近で感じたことを一つ。
(本当は、いくつかあったのですが、長くなりすぎるので一つにします)

ここ2週間ほど、京都大学の心理学の研究者の方とディスカッションなども行い、多くの気づきが得られました。

今後も、心理学を中心としたサイエンスの知見を、積極的に発明塾の運営に反映させていきます。


● 「新しいもの」を追い求めることは、「落としどころ」を考えないことから始まる

多くの塾生さん/OBOGには、言葉の定義からして自明なことだと思うのですが、

「落としどころ」

を考えて取り組んでいる限り、何の新しいアイデアも、飛躍も出てきません。

落としどころとは、予測可能な範囲の中で考えること、作業を進めることを意味するからです。

以前から

「いま・ここ」
(Now/Here)

に集中すること、例えば、

「フロー」

の話を繰り返ししています。

「予測可能」

な範囲を超えるために

「予測できる範囲内での作業に終始したい、予測不可能な状態になる事を避けたい」

という欲望を抑え、

「今行っている作業に集中する」
「今討議されているアイデアに集中する」

こと、これに尽きると改めて思います。

僕の過去を振り返っても、

「いま・ここ」

に意識的に集中できるようになったのは、少なくとも2005年以降だと思います。

落としどころもへったくれもない、崖っぷちの状況に追い込まれたからです。

その後、発明を仕事にしていたことも、拍車をかけた気がします。

「落としどころ」

と発明は、相反するものだと僕は考えているからです。

「多くの人が思いつかない、予測不可能なアイデアを、期限内に提出する」

という矛盾だらけの作業、それが

「発明」

です。

「落としどころ」
「予定調和」

とは真逆の世界を好むこと、それが

「創造」
「発明」

に取り組み、また、それを仕事にする、ということです。
(投資も、そうだということが分かってきました。発明塾が発明塾である所以により、発明塾には自然と、投資部が生まれたのだと感じます。)

仲間は、常に募集しています。


学生さんは、どなたでも参加可能です。
社会人の方は、参加者の紹介が必要になります。

参加希望の方は、参加者か楠浦までご連絡いただくか、あるいは、以下をお読みの上、記載の方法でご連絡ください。



楠浦 拝


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2018年1月7日日曜日

発明は「頭脳の投資」/「他流試合」のススメ~発明塾発明塾第412回(投資部第33回)

新年一回目は投資部でした。ロンドンからの参加者含め、5名で討議を行いました。

持ち込みトピックは、いつも追いかけている、ヘルスケア・医薬食品系のネタに加え

・コネクテッドアパレル(Connected

を、学生さんが持ち込んでくれました。

コネクテッドアパレル(あるいはウエアラブル)は、発明の方でも取り上げたいトピックですので、その予備調査という感じでしょうか。

投資部ではOBOG、あるいは、楠浦がよく知る賛同者の方を加え議論できるため、

「投資部で、一度、”投資適格なテーマかどうか”を議論してから、発明へと持ち込む」

という使い方はありだと思っています。

「発明は頭脳の投資」

と僕は考えているため、事業や新製品企画と同様、

「投資に値するテーマか?」
「頭脳を投資すべき領域はどこか」

を、投資部で議論してから発明に臨む、という進め方を、今後も推奨します。

OBOGは、その議論から、自身なりの

「何か」

を得てもらうことを、期待します。

今回の参加者からは

「新年早々、ハイスピードな議論(高速思考)が心地よかった」
「他流試合の重要性を改めて認識した」

のような声をいただきました。


「大学入試に合格できるAI」は出来る、でも、そのAIは
「意味を理解していない」とする。
そして、そのAIに「(入試において)負けてしまう」学生がいることを
どう考えるか。入試を変える?、教育を変える?それとも…。
(なんであれ、また、どのような場であれ、
「ググって答えが出てくる」ようなことを
だれかに問うのは全く無意味だ、と僕は考えます。
まだ答えが知られていないことを、問いたいですね。

 
「次の世代に何を残す」のか。
先物市場は、「可能性」を大きく広げたツールでした。
(リスクを取りたい人にも、そうでない人にも…)
一つの発明です。





● 「他流試合」のススメ ~ 異質を取り込み、飛躍し、「超過収益」へ

「他流試合」

で得られるものとして、

・自身の問題(あるいは自身が関心を持つ問題)について、異なる見解やロジックを知る

こと以外に

・異なる分野にある、多様な(これまで自身が知らなかった)ロジックを知る

があるのだなということに、改めて気づきました。

僕を含め多くの(特に社会人の)方は、議論をしながら

「自分の事業ではどうかな?」

と、議論の内容を、自身のそれに自然に置き換え考えていると思います。

そういうアタマの使い方が

「心地よく」

感じられる方は、発明塾、特に、投資部向きだと思います。

自身が抱えている問題は、自身の分野にあるロジック、あるいは、自身が手が届く範囲にあるロジックでは解決できないか、解決できても

「平均点」

しか取れない可能性が高いと、僕は考えています。
(最近特に、強くそう思うようになっています)

「発明、あるいは、事業という”投資”」

で、リスクを取り、かつ

「リスクプレミアムに見合う成果(例:収益)を上げる」

ためにどうするか、投資部の活動を通じて引き続き議論をしていきたいと思っています。

それが、経営、あるいは、発明という活動の本質の一つだと、考えているからです。

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2018年1月1日月曜日

京都大学「ものつくり講義」学生さんのレポートを拝見しました~新年のご挨拶に代えて

2018年が始まりました。本年も引き続きよろしくお願いいたします。

投資部の活動も、準備期間含めると3年になりました。現在は助走期間中と捉えています、少しづつメンバーを増やし、また、活動内容も多様化したいと考えております。こういうことやってほしい、という希望があれば、Facebookページなどで、ぜひ議論してください。

さて、僕は年末年始も普段と変わらない生活をしておりました。ちょうど、2018年の「ものつくり講義」のレポートが届きましたので、いつも通り読みふけっていました。

僕は、毎年このレポートをとても楽しみにしています。

実に様々な

「気付き」

が、あるからです。

講義の感想はもちろんですが、どれぐらい熱心に取り組んでくれているか、どういう特許を読んでくれているか、どんな技術分野に関心があるのか、将来どういうキャリアを目指しているのか、紹介した本は読んでくれたのか、など、気になる事を挙げるときりがありません。

例年通り、差し支えない範囲で、レポートを読んで感じたことを、紹介します。


● 「仕事に、人生の黄金期を費やす」ことについて~仕事選び/キャリアについて


そこそこの数の学生さんが、「仕事に、人生の黄金期を費やす」ことについて、問題意識を持ってくれたようです。

「仕事は、お金稼ぎの手段」

だと思っていた、そう割り切って仕事を選ぼうと思っていた、という学生さんもちらほらおられたようですが、講義終盤のスライドを読み、考え直すよい機会になった、という声がありました。





● 「紹介した書籍」への反響~読んでいます/買いました


紹介されていた本を読んでいます、買いました、という声が、例年より多かったように思います。質疑応答でも、

「よい本の選び方」

について質問がありましたから、その影響でしょうか。

講義で紹介した本は、僕が講義で話したかったことについて、僕なりに厳選した書籍群です。それらをもとに、自分なりに、「旅」に出て欲しいなと思っています。


● 「エッジ特許」「エッジ情報」選びについて~特許だけでなく、IR情報も


感想を読み、やはり機械系だなと感じた点があります。それは、

「技術のことより、経営や経済のことの方が興味があり、そのあたりの話が聴けて楽しかった」

という感想が、少なからずあったことです。僕が在籍していたころも、やはりそういう学生がそれなりにいましたし、経営工学など、経営についての講義もありました。

レポートでは、特許だけでなく、IR情報も読み込み、

XX社は、今後ZZに力を入れていくと思われる」
「業界として、AAAの方へシフトしつつあるようだ」

などと、事業と技術を両睨みで論じてくれた学生さんがいました。頼もしいですね。

「モート」(Economic Moat:経済的堀)

についても、自分なりに調べ、考えてくれた学生さんもいました。

楽しんでもらえたようで、よかったです。

例年以上に多くの学生さんが、

「特許情報」

の威力に気付いてくれたように感じました。

今後が楽しみですね。

僕は、来年度の授業(と、レポートを読むこと)が、今から楽しみでなりません。

いいネタが提供できるよう、僕も精進します。

ではでは。


楠浦 拝



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