「発明塾®」へようこそ!: 発明(家)よもやま話

発明(家)よもやま話

このページでは、発明塾で度々取り上げる発明(家)の歴史、塾生さんの推奨する参考資料などを紹介します。

・「歴史上著名な特許・発明の特許番号を調べて特許全文にアクセスする方法



【発明家】


● T.A.エジソン

弊社(TechnoProducer株式会社)が掲げるミッション「エジソンを育てる」の都合上、この人は度々出てきます。
白熱電球の竹フィラメントで京都に縁の深いエジソンですが、実は、彼の功績は「電球」よりも、今日のような「電力システム」を構想し、作り上げた点にあります。

エジソンの発明リスト(ラトガース大学)


彼が、単なる発明家を超えた「企業家」であったことは、彼が運営した「発明研究所」から様々な発明品が生み出され、事業化されたことからも伺えます。後述のN.テスラも、その「発明研究所」のメンバーの一人でした。


● N.テスラ


発明家、という意味では、エジソン以上であったかも知れません。発明塾にも根強いファンがいる発明家です。交流発電や無線通信などに、多くの功績を残した人です。

エジソンもテスラも、ノーベル賞にノミネートされながら、受賞に至らなかった(拒否した?)。



● UEI 清水氏


細かい説明は以下に譲ります。

「高等研究機関をベンチャー企業が設置する理由」(shi3zの長文日記)

要所を、以下に抜粋します。

「発明は、頭脳のみが優れた弱者が、それ以外の全てのものを持つ強者に対抗しうる唯一の手段だ。これはつまり、ベンチャー企業の持つ根源的な価値と同じである。」


「そのために世界でも屈指の、我が国が有する最高の頭脳を招聘したのだ。最高のタイミングだった。 そして我々が起こす真のイノベーションはここから始まるのである。 それがベンチャー企業である我々UEIが、学術研究機関を設置する大いなる意味だ。 発明こそが我らが生命線、革新こそが我らが生きる目的なのだ。」

もちろん僕は、清水氏に会ったことはありません。しかし、彼の言わんとすることは、とても良くわかります。UEIの今後の躍進に、大いに期待したい。




【発明】


● CDMA(第3世代の携帯電話に用いられている通信方式)

正確には、I.ジェイコブズとQualcommの歴史を知っておいて欲しい、ということになるかもしれませんが、その前に一つエピソードがあります。
実はCDMA技術と関連が深い「周波数ホッピング」(詳細は面倒な数学が出てくるので割愛します)という技術は、ある「ハリウッド女優」が発明したものです。

「携帯帯電話の誕生と女優ヘディ・ラマーの発明の関係」(諌山裕の仕事部屋)


その後、1988年にCDMA技術を用いた移動体通信(要するに携帯電話)のコンセプトを、Qualcommが発表し、紆余曲折を経て今日の、3G、4G(LTE)の携帯電話全盛の時代を迎えます。

「クアルコムが携帯電話業界の覇者になるまで」


発表当初は、軍事技術としては使えても、民用では不可能、と誰も相手にしなかったそうです。
皆さんが、スマホやタブレットで動画を見たりできるのも、I.ジェイコブズが執念でCDMA技術を実用化し、その優れたビジネスモデル「Enabler」により普及させたおかげ、と言えます。

Qualcommの例に限らず、「優れた発明も、当初は誰にも理解されない」「新しい技術を普及させるためには、優れたビジネスモデルが必要」とは、よく言われることです。


他参考資料として、以下。


「21世紀の挑戦者 クアルコムの野望」稲川 著


・「世紀を越えて 世界 ビッグパワーの戦略 第2集 特許で世界を制覇せよ」NHKスペシャル
 こちらに簡単な解説があります
 
NHKスペシャルの映像は、京都大学や立命館大学の講義で、毎年紹介しています。


● 「高速DNAシーケンサー」と「全ヒトゲノム解読」をめぐる争い


これも度々取り上げるトピックです。物語に出てくるのは、リロイ フッド と、クレイグ ベンター の二人の著名な研究者である。

リロイ フッド(Leroy Hood)

クレイグ ベンター(John Craig Venter)

ベンターは、日米欧の政府を敵?に回して、独自に全ヒトゲノム解読を成し遂げたという超人です。独自の解析手法「ショットガン法」を発明し、フッドが発明した高速DNAシーケンサーを大量導入したことにより、圧倒的に資金/人員が不足する中で、世界に先駆けて全ゲノム解読に至っています。この辺の経緯は、以下に詳しい。

「ヒトゲノムを解読した男 クレイグ・ベンター自伝」クレイグ・ベンター


しばしば、「日本は新しい技術/発明に寛容ではない」「アメリカはその点いいよね」という議論がなされますが、少なくともこの「高速DNAシーケンサー」と「全ヒトゲノム解読」については、それは当てはまらないようです。


政府の支援が全く得られなかったベンターは、NIHを辞して、自ら資金集めに奔走し、ベンチャーと研究所を設立して「全く独力で」、全ヒトゲノム解読を成し遂げています。支援が得られないどころか、むしろ政府からの妨害があったとされています。


また、そこで使われた「高速DNAシーケンサー」(ABI社製)を発明したフッドもまた、カルテクでその発明/研究を行ったにもかかわらず、周りの理解が得られずにワシントン大学に移った、と言われています。


また、これらの話には日本の研究者、伏見氏が先に同じ原理を発明していたにもかかわらず、、、というおまけもあります。


この辺の経緯も含め、日本側から見た「ゲノム戦争」の話が、以下に詳しく書かれています。


「ゲノム敗北」岸宣仁 著


「誰が天才を潰すのか?」(コージーコーチ・エッセイ集)

 20年遅れの「日本版バイ・ドール法」制定が、悔やまれます。

ライフサイエンスの歴史の復習がてら、読んでみてはいかがでしょうか?




【おまけ】

塾生さんから、「是非に」と言われたものです。こういう世界が来ますよね、的なお話です。

「攻殻機動隊」

「電脳コイル」

見ましたよ!





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