「発明塾®」へようこそ!: 立命館大学MOT大学院 第三回講義を終え~「大学教育をどうすべきか」特に「累積思考量」

2013年6月23日日曜日

立命館大学MOT大学院 第三回講義を終え~「大学教育をどうすべきか」特に「累積思考量」

私が非常勤で担当している、立命館大学MOT(技術経営)大学院での講義、「先端科学技術とビジネス」も、早いもので第三回が終了しました。全8回ですので、次回で半分が終了することになります。

少し早いですが、前半戦を振り返っておきたいと思います。その理由は、第三回のゲストの方からのお題が「大学教育をどうすべきか」という、問いかけだったからです。


受講者の方には、社会人の方も含まれますが、これに関してはそれぞれお考えいただくことにしておりますので、私の方で少し考えたことを、来年(と下期)に向けて整理しておきたいと思います(注1)。




● 大学に求められるのは「課題の設定」が出来る能力の開発


これは常々言っていることで、講義後も受講者から質問があって同じ事を言いましたが、


・中学校では「与えられた問題を、教えられたとおりに解く」ことを学ぶ

・高校では「与えられた問題を、複数の方法で解く」ことを学ぶ
・大学では「問題/課題を発掘/創造/設定する」ことを学ぶ
・社会人は「課題を設定して解くことで対価を得る」必要がある
・経営をするなら「それを、組織的に継続できる」必要がある

ということになります(MOT=技術経営、ですので、経営まで入れておきます)。表現の問題はさておき、皆様に大枠異論がない範囲の、至極当たり前のことだと思います。



講義では「オンリーワン」というお話を頂きましたが、「課題設定(何を解くか)」「解き方が複数ある(どう解くか)」「対価(解いて欲しい人がいて、自分にしか出来ないか)」の組み合わせ(因数分解)かな、と思います。



僕がこの一連の講義で目指していることは、受講生が「課題を発掘」して、「自分なりの答えを出す(解く)」ようになることです。MOT大学院ですので「大学→社会」を、繋ぐステップを設計している、ということになります(注2)。


もう一つ、「現場を知る」ということも、あるかもしれません。論文読んで、、、という経営の勉強もありえますが、OBではなく最前線で活躍しておられる方々にお越しいただき、生の声を聞き、そこから自分なりに課題を見出し(仮説)、それを提案し、解く。


いわゆる「大学院生」が就職し、4-5年経つと、間違いなく「これ」が求められると思いますので、それに応える実際的な教育は必要だと思っています。



(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
例によって絶版で失礼します。
1999年頃に読んだ本です。
ブルントラント委員会」と呼ばれた
「持続可能性」についての委員会報告書です。
「Our Common Future」、よい題名ですね。



● 圧倒的に足りていない「累積思考量」


そのためにも、もう少し、


・時間をかけて考える

・問題解決手法「自体」を、自分で考える(自分用に最適化する)

というところに比重を移したいと、思っています。理由は、発明塾を通じて、


・学生の「累積経験、思考」が圧倒的に足りていない。一つのことについて、じっくりと考える場が必要。

・「パターン暗記」的に手法をマスターしても、なにも結果(塾の場合は発明)は出ない。

ことが判っているから、です(注3)。



おそらく来年度の本講義は、


・ある企業の新規事業について、4回程度の時間を割いて、複数の観点から、その課題を発掘し、自分なりの解決策を考える(ケーススタディ)

・その上で、最前線で活躍されている方と、建設的な討議を行い、課題発掘と解決提案を行う

という形になるでしょう。現在既に準備を進めています。




● 「アウトプットオリエンテッド」「第三者評価」「自分に合った”結果が出る”手法の確立」


また、下期の「マーケティング・リサーチ演習(発明講義演習)」については、これまでのパワーポイント講義を廃止し、


・演習を行いながら、必要な内容について、その場で講義を行う(ホワイトボードとインターネット)

・講義を通じて、自分で「発明法」のテキストをまとめる

形にします。これも、発明塾@京都で現在行なっている手法、そのものです。大学の講義では「単位を与え」なければならないため、様々な制約があるのですが、それを乗り越える教育手法の目処がつきました。


本来、理想的な大学教育は

・「単位は廃止」
・「アウトプットを第3者が評価して、普遍的に通用する評点/称号を与える」
という形になると思っています(だから「発明塾」はそうなっている)。

・「教師が、学生を評価する」→「世の中に評価される」

・「テキストが有って、それを学ぶ(憶える?)」→「自分に合った、一生使える方法論を作る」

いずれも、社会にでる前に、やっておきたいことです。だって、そもそもテキストがあるなら、「なんで講義に出なくちゃならないの?」ということに、普通、なりますよね(家でテキストを読んでおけば良い)。


立命館大学での講義も、少しづつ「発明塾」に近づけられればよいな、と思っています。





※ 注1) 現時点では、私は非常勤で講義を担当している立場ですので、あくまでも私個人の意見となります。立命館大学を代表する意見でも、将来に向けてその変化を確約するものでもありません。


※ 注2) 実際には、当初想定していた以上に、社会人大学院生の方がおられますので、今後見直しが必要と考えています。


※ 注3) もともと、個人的経験の範囲で自明でしたが、多くの学生でデータを取り、確信を得ることが出来ました。





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