「発明塾®」へようこそ!: 「未来創造設計書」~遠隔医療/遠隔診断

「未来創造設計書」~遠隔医療/遠隔診断

* 2016.9.8 改訂版

2015年から約1年、発明塾が「次の次元」へ飛躍するための準備作業を行ってきたことは、度々紹介してきた通りです。


今回、その一つとして、

「BluePrint For Innovator ~未来創造設計書~」
(本名称について、発明塾関係者以外の方による無断利用はお控えください)

を公開します。


目的は、

✔ 発明塾として、今後取り組む発明テーマの明確化
✔ 上記テーマに「課題意識」をもった塾生の新規募集、および、積極的な支援
✔ 発明塾としてOBOGの活動支援(事業テーマの企画立案、新規事業立ち上げ/起業の支援)
✔ 発明塾で注力する分野に興味がある投資家、投資家候補の募集
✔ 発明塾で注力する分野に興味がある経営者、経営者候補の募集

です。


以下、

「再発、または、慢性化しやすい脳機能疾患のモニタリング」

は、発明塾OB の 小塚(おづか) によるものです。

今後、発明塾での討議/発明創出を踏まえ、日々改訂していきます。
「エッジ情報」は、「発明創出」に伴い、日々変化するからです。


「エッジ情報」選定については、こちらを御覧ください。
セミナーにて、実例で手法を紹介しています。

以下内容の一部または全てについて、転載や配布等をご希望の方は、こちらよりご連絡ください。
著作権者への無断複製・編集・配布、事例の流用を固く禁じます。
また、引用の際は、本HPからの引用であること、および、URLリンクを明記ください。


入塾希望の方は、こちらを御覧ください。

入塾資格は、「この分野で、発明/アイデア創出に取り組みたい」「この分野の新規事業に、近い将来、経営者として関わりたい」「この分野に投資したい」「この分野に取り組む、よい議論ができるよい仲間がほしい」という大学生です。


また、関連情報は「メール講義」にて配信しております。
Blogには、すべての情報は掲載しておりませんので、ご注意ください。


==以下、本題



BluePrint For Innovator 
~未来創造設計書~

「再発または、慢性化しやすい脳機能疾患(*)のモニタリング」
Technology and Business Model for Monitoring and Preventing
the Recurrence or the Chronicity of Brain Function Diseases



Summary 

再発しやすい、または、慢性化しやすい脳機能疾患(例えば、「脳卒中」「統合失調症」)に
  罹患した場合、
頻繁に通院することが求められ、患者にとって大きな負担になる
脳機能疾患が再発する危険性がないか、または、疾患が悪化していないかについて、
病院外でモニタリングする技術が必要と考えられる
発明塾では、脳機能疾患に対する「遠隔モニタリング技術」、脳機能疾患患者やその予備軍に
 「必要な頻度で
検診を受けてもらえる仕組み(ビジネスモデル)」について、発明を求めている

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図1 脳機能疾患を病院外でモニタリングする技術を求めている



目次

1.遠隔医療診療の市場が大きくなる中で、「遠隔モニタリング」技術が重要
2.既に、慢性疾患/再発率が高い疾患をモニタリングする技術が存在
3.しかし、「脳機能疾患」を病院外でモニタリングすることは困難である
4.慢性化しやすい、または、再発率が高い脳機能疾患の例
5.慢性化しやすい、または、再発率が高い脳機能疾患を、低侵襲/高頻度/高精度に
モニタリングできる技術について、発明を求めている
6.発明創出のヒントになる「エッジ情報」


* 医学用語で、「中枢神経系(CNS)障害」と呼ばれます。世界の7大医薬品市場における疾患負荷の約35%を占め、アンメットメディカルニーズが多い分野とされます。(PAREXEL International Corp. HP より)



1.遠隔医療の市場が大きくなる中で、「遠隔モニタリング」技術が重要

なぜ「遠隔医療」が必要とされているか?

慢性的な医師不足、および加速度的に進展する高齢化に伴い、患者が通院により十分な
  診察を受けることが難しくなる、
と想定されている
患者の通院の負担を軽減するため、遠隔医療の取り組みが進んでいる
遠隔医療についての市場予測は以下の通りであり、急成長が見込まれている

https://lh6.googleusercontent.com/SkfvMUadJlWN4puiyBItmZK1yJ56xVqP8qToAigs-ePNr-3lDTKTa-vERDwVHlq_RdKkEDLL8X6n3XjJq80va8zQ5UB_ZbMbFRpxcx20wHQY9DXqINT8fPrQ7rZ1YoEa_iv7PsJi
図2 遠隔医療の市場予測 


遠隔でも患者の状態を正確に把握できるような「モニタリング」技術が、数多く検討されている

服薬管理モニタリング等、様々なデバイスを用いて遠隔で患者をモニタリングすることが
  想定されて
いる(詳細は後述)

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図3 遠隔モニタリングデバイスで、遠隔で患者の状態を把握する




2.既に、慢性疾患/再発率が高い疾患をモニタリングする技術が存在

特に慢性疾患、再発率が高い疾患は、患者への負担が大きく、遠隔モニタリング技術が必要

例えば、肺、肝臓、心臓の慢性疾患や再発率が高い疾患の場合、患者にとって、通院が
大きな負担になることが多い
上記のような疾患を持つ患者の状態を、遠隔で把握するためにモニタリング技術が種々
存在する


例えば、以下のような疾患において、遠隔モニタリング技術が開発されている

)心不全
心不全は、5年後再発率が50%と言われ、再発率が高い疾患である
そのため、遠隔モニタリング技術の取り組みが進んでいると考えられる
例えば、以下のような技術が提案されている

https://lh4.googleusercontent.com/C6CkIlVtzx2Pg6BHq2IwzTd34--XTryb8X_qBznM0CnmNdDopFPVNt7PvgGIhW3h3FW-z_fU5Ip7Pv8Iq_mkIpgSvMKR6-Tf_5mjDXKKCTgMXYnMfDdSAe0h1qlX0JAyI-WvL7d7
図4 CardioMEMS Champion HF Monitoring System


上記は、心不全再発防止のためのモニタリング技術である
カテーテルを用いて低侵襲的に挿入できるデバイスを用いる
 心不全の兆候があった場合、医師に知らせる
この技術によって、心不全患者の入院率が38%減ったとされている

参考文献
Cardiomems説明動画 St. Jude Medical Inc.


慢性閉塞性肺疾患(COPD
慢性閉塞性肺疾患は、進行性の疾患であり、多くの患者が存在する
例えば、COPDに関する記載を以下に引用する
40歳以上の人口の8.6%、約530万人の患者が存在すると推定されています(NICE study)が、大多数が未診断、未治療の状態であると考えられます。全体では死亡原因の9位、男性では7位を占めています。
日本呼吸器学会HPから引用)

● COPD患者は、継続的に薬剤を吸入する必要がある
患者が薬の吸入を忘れないよう、モニタリングする技術が必要とされている
例えば、以下のような技術が提案されている

https://lh6.googleusercontent.com/CQPF8_24BwfbBBHc60qHzvt-rBq_SYAJP-61ooS7lZ3Cc8hqOp8oH7z8o1Lub8UdnFUt3xx9fS9aBVUwiOEIynbFK6vx5PPUnumFeylQE0Ol6ezH1RL3NYrKU-VVe8TCsuVVzDu-
図5 COPD治療薬の吸入器
(日経デジタルヘルス 吸入器をIoT化、患者の服薬を見守る より引用)

該当のデバイスについての記載を、以下に引用する

吸入器の使用データがほぼリアルタイムでアクセス可能となり、慢性疾患を患者さん自身が容易に自己管理できるようになることを目指す


睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群は、脳卒中等の合併症を引き起こしやすい疾患と言われている
潜在患者は、米国で人口の2%、1200万人と言われている
例えば、睡眠時に呼吸をモニタリングする以下のような技術がある

https://lh3.googleusercontent.com/8o0eg8la0AUABBjOs5PVREAv6bObQZlZE8j7GXlrk0tbFWaV9EA4mDID38QRnwRIJctIDN6hDdHciM5CYgmtux1_JSsVLdP0tDm-annv9_K8nWSfhDqmHSD_77csYXVypuopR-nn
図6 睡眠時無呼吸症候群のモニタリングデバイス
advancedbrainmonitoringHPより引用)

睡眠の質やいびきの頻度をモニタリングすることで、治療効果を判定することができる

参考文献
 ● 睡眠時無呼吸症候群について 仙台厚生病院




3.しかし、「脳機能疾患」を病院外でモニタリングすることは困難である

脳機能疾患は、他の体の部位と比較して、モニタリングが難しい

● 心臓疾患についてのモニタリングデバイスは、手術の際に心臓に埋め込むことができる
 埋め込んだデバイスで継続的にモニタリングすることにより、心臓疾患の再発を防げるようになりつつある
しかしながら、脳の内部にデバイスを埋め込み、疾患をモニタリングすることは、脳が複雑な
器官であるため、難しいと考えられる
● モニタリングのため、脳に電極を挿入することも想定されてはいるが、倫理的な問題がある

参考文献


直接的に脳内部をモニタリングすることは、病院外では困難なため、病状や再発可能性を正確に検知することは難しい

に述べたように、脳のモニタリングは難しいため、患者は病院においてMRI等の機器を用いて正確なデータを取得する必要がある
しかしながら、高頻度で通院することは患者にとって大きな負担になる
通院しなかった結果、病状の悪化や疾患が再発する危険性に気付けない可能性がある


 加えて、3大疾患と呼ばれる「心臓疾患」「脳疾患」「精神疾患」のうち、後者2つは「脳」「脳機能」に関連するものであり、病状改善・再発防止・治療、およびそのためのデータ取得などの社会的需要が大きい。



 以上から、特に 慢性化しやすい、または、再発率が高い脳機能疾患について、適切なモニタリングの仕組みと技術が必要であると、発明塾では考えている。




4.慢性化しやすい、または、再発率が高い脳機能疾患の例

脳卒中
脳卒中は、10年以内の再発率が50%と言われている
また、日本において脳卒中で継続的な治療を受けていると推測される患者数は、25万人程度とされている
脳卒中に関する記載を、以下に引用する

症状は、脳卒中が起こる脳の場所によって様々ですが、片側の顔面や手足の麻()()(片麻痺。顔の片方がゆがむ、片方の手足に力が入らない)、半身の感覚障害(顔の半分、片方の手足の感覚がおかしい、しびれる)、言語障害(ろれつが回らない、言いたいことが言えない、他人の言うことが理解できない)などの症状が、突然、出現するのが典型的です。

参考
 ● 平成26年患者調査 厚生労働省 


てんかん
てんかん患者は、人口の1%/患者数100万人存在すると言われている
再発率は50%程度と言われている
てんかんについての記載を以下に引用する

大脳の神経細胞(ニューロン)は規則正しいリズムでお互いに調和を保ちながら電気的に活動しています。この穏やかなリズムを持った活動が突然崩れて、激しい電気的な乱れ(ニューロンの過剰発射)が生じることによって起きるのが、てんかん発作です。
このため、てんかん発作はよく「脳の電気的嵐」に例えられます。また、てんかん発作は繰り返しおこることが特徴です。そのため、1回だけの発作では、ふつうはてんかんという診断はつけられません。
日本てんかん協会HPより引用)


統合失調症などの精神疾患
本資料において、認知機能障害も「脳機能疾患」に含める
統合失調症は人口の1%が発症すると言われている
服薬を継続しない限り、2年以内に80%が再発するとも言われている
統合失調症だけでなく、うつ病等、精神疾患は多数存在する

精神疾患は、脳が複雑な機能を有する器官であるが故に、動物では研究ができない
また、人体で実験を行うには倫理的な問題がある
そのため、研究が進んでいない分野と考えられ、正確な診断を行うのが難しいと考えられる

上記に加えて、処方している薬が効いているかモニタリングすることが現状できないと
考えられ、診断が正しかったかの確認が難しいと考えられる
以上により、再発の危険性や薬効のモニタリング技術が必要とされていると考える

参考文献




5.慢性化しやすい、または、再発率が高い脳機能疾患を、低侵襲/高頻度/高精度にモニタリングできる技術について、発明を求めている

● 脳機能疾患において、「データ取得の頻度VSデータの正確性」、「データの正確性VS患者への負担」の
トレードオフが存在し、それを突破する発明が必要であると、発明塾は考えている

● 患者の状態を、「常に」モニタリングする場合と、「定期的に」モニタリングする場合に分けて、
以下に記載する


患者の状態を「常に」モニタリングする場合
常にモニタリングする場合、埋め込み型のデバイスや、腕時計型のデバイスが存在する
頭に埋め込み型のデバイスであれば、正確なデータを常にモニタリングできるが、
患者への負担は大きくなると考えられる
しかし、例えば腕時計型のデバイスは、データの正確性は低いが患者への負担は低い
データの正確性が高く、患者への負担が小さいデバイスが求められると考えている

https://lh4.googleusercontent.com/lCSjYoV6s-P2NZEC0tPlnC58h2I1sRhUEPZ5femqlhOeeLG9ozJEpB9oSRBnVxf-vNai4vcjSNgab9vhQh7WuWhSY2iCUNMgTZTzujUUSxoX5p2JdP4p-5FGEIuUmlKUVraqMXM6
図7 正確なデータの取得と低侵襲性はトレードオフの関係にある


既に上げたIoT吸入器のように、該当の疾患患者が必ず持っているデバイスに、モニタリング機能を付与することで、より患者の手間/負担を軽減できると考えられる
他にも、例えば以下のようなデバイスによりデータを取得することが考えられる。
衣服型デバイス      (参考:Textronics
膝に装着するデバイス   (参考:フットドロップ・システムNESS L300™
眼鏡型デバイス      (参考:Jins meme
腕時計型デバイス     (参考:Kardia Band

参考文献



患者の状態を「定期的に」モニタリングする場合
例えば、病院においてMRIでデータ取得する場合、正確なデータを取得できるが、
高頻度で測定することができない
正確なデータを、高い頻度で測定できるビジネスモデル(インセンティブ設計)が必要と考える

https://lh4.googleusercontent.com/yJsTmF-KRmB_cn6wVmgtDOQ9xr9HfGzLUaBfBkvVsRAxGeDzrD8nxhRu-ACfsssiEYX5hJ2cqXiUHAIz3Rokx1eV8ciQTfb2_0xK1eNzgBJ1VH_9wBLORTaD9fL6able_f5VssEP
図8 正確なデータの取得とデータ取得の頻度はトレードオフの関係にある


例えば、以下のようにデータを取得する頻度を上げるビジネスモデルが検討されている

BOP向け移動型の診断車 
BOP層移動健診を提供し、心疾患・糖尿病のスクリーニングを行う。移動健診の結果、
重篤な心疾患の可能性があると判断された患者については、SAKRA WH にて精密検査を
行い、結果次第で 心疾患手術を受ける。主なコスト発生ポイントは、移動健診実施時と
SAKRA WH での精密検査・手術・ 入院治療にかかる費用である。
(独立行政法人 国際協力機構(JICA


  郵送による血液検査

 https://lh6.googleusercontent.com/4vPm4JCbUoxg7Eyu5gVGxJ5fMZBwKe9mN46_621skztbK0yd5NHDmx4U_Pcx0jIcIV9N0MQnl8k746Kiljgs5tarmzqA0ivc56fl4dfwyryw1URRUvBvScfJiQyUn5R00Xq8Kt4U
図9 郵送による血液検査サービス
LeisureHP DEMECALより引用)



6.発明創出のヒントになる「エッジ情報

脳機能疾患の検出に役立つデータの例

脳波測定
脳波測定は、てんかんの診断に使用されている
以下に、脳波に関する記事の記載を引用する

脳波検査はてんかんの診断と治療経過の判断に欠くことができない検査です。
てんかん発作の症状の変化や抗てんかん薬の効果による変化は脳波で経時的にみる
必要が有るため外来通院では数ヶ月に1回の割合で、入院中なら1ヶ月に1回から2回は
検査を行います。
(中略)
脳波検査とは?
人間の脳は、考えている時だけではなく眠っている時にも活動しています。脳が活動すると、
脳の中には微弱な電気が流れます。その脳細胞の電気的変化を頭皮上に付けた電極で、
記録して脳神経の働きを調べる検査です。

他にも、例えば心拍、血圧、体温、発汗、血糖値、筋電、四肢の動き、音声、表情、
  バイオマーカー等を測定することが
考えられる



脳機能疾患をモニタリングする技術の先行技術情報

以下に、モニタリング技術の参考になる先行技術を記載する

脳に埋め込み、時間が経過すると溶解するセンサ
 The new sensor technology is capable of monitoring temperature and the pressure of intracranial fluid within the skull with the same level of accuracy as conventional, permanent monitoring devices.
WIRED HPより引用、以下画像も同様)

https://lh3.googleusercontent.com/jKteierHRurQy5uKJuVeFJTFhBwMBcU5OFwxLKUcf6EpPGGuKoyTNLV9P3PuOEoAqzu7ifK5OLyXKJrlwhTswvo2_kC_XX4vctmKodXC0R4C9aFPD4QRLZOmKWvBckHi-rvL-ZDN
図10 Soluble brain implants


脳波測定の埋め込みデバイス
【0010】 
[0006] 本開示内容の対象の一態様は、最小の侵襲性で、埋め込み可能な、使いやすいデバイス
及びシステムを用いて医学的障害を治療するために、三叉神経の眼の(眼窩上)、
眼窩下及びオトガイ枝を刺激するよう構成された、医学的障害を治療する方法並びにシステム
及びデバイスを提供することによって前記の必要性に対処する。
特表2014-501139より引用、以下画像も同様)

https://lh4.googleusercontent.com/USFYEB7F2sFiAqXW79sBJ4B2jjmBO1zWsEp8UTCty9M1NzAfj00Uztpyj2HgLyco8ZMvTs1m2QXKHmLO4ezcsoEqPTsolgIKitmX6LLNNG5jBWDG8dMNgsPZT-b3nkgXnwDgGhRB
図11 医学的障害治療のための頭蓋外に埋め込み可能なデバイス、システム及び方法



パーキンソン病患者用ウェアラブル・モニタリング・システム

https://lh4.googleusercontent.com/mQ5dFRpzF_L3bQdrtDodwL10vfhJu_qy5i8VpeNJc-VcTuzpDmPzKZJ7V-AEsuzTw94l56gwuaPHh2EcnEYrSmiH4IFBLoDKhPGbuAoXKtmf47BoLqApcXTEInuVpQqrF0TUuXaN
図12 パーキンソン患者用のモニタリングデバイス
WIRED HPより引用)



ウェアラブルデバイスから取得したデータを基に脳の健康状態を測定する

https://lh3.googleusercontent.com/FBywbgTFi3-DhVz1NYXGlHCAdQw0smEYO4qVjBYjuxsu1qfZgvTTCJrV23jv4vo1vL3z3zs45eu9rgJwXj31xsDCY9GTuOqtXyfAZwOjn5SmPkD5bJGNZ6G9mFg6_4LS0Fk9VQ37
図13 Brain healthの測定
Neumitra HPより引用)

Neumitra が出願した特許の一つを、以下に記載する



脳機能疾患のモニタリング技術を普及させるためのビジネスモデル

患者へのインセンティブ
長期的に、モニタリングが疾患治療の役に立つものであったとしても、患者にとって
  面倒である場合、
短期的にモニタリングへの協力や同意が得られない、
  つまり、インセンティブが足りない可能性もある
そのため、疾患をモニタリングをする上で、患者へのインセンティブ付与が必要になる
  可能性がある
例えば、服薬管理のために、「ゲーム」でインセンティブを付与している以下のような例がある

https://lh5.googleusercontent.com/EJod_MovLaPjakk-7w55K55wgJfXXK5G5HO4LOo9RiP-6jFa9EhtdwlIFr12G147nf_wEkJSP7BsW8Mmz3haXMytzwxSavq5Lo2WMndKkvX4IAEqJmlyy9LzBTE1doRph4_OoO9c
図14 ゲームで服薬管理を行う携帯アプリ
Mango Health HPより引用)


例えば、患者が頻繁に訪問する場所にモニタリングするためのデバイスを設置し、
その場所で診察を受けるように、患者にインセンティブを付与することが考えられる



医師、病院へのインセンティブ
普及を促進させるために、医師や病院にインセンティブを付与することが考えられる
例えば、MDV は電子カルテにおいて、「患者は、自分のカルテの一部が見られる」
  「病院は、
他の病院の診療情報を見ることが出来、経営改善に役立てられる」ように加工し、
   「電子カルテ化」
「カルテ情報の共有の許諾」を進めている
● MDV のビジネスモデルについて、詳細は以下の図を参照

https://lh5.googleusercontent.com/srgLeqoeZr4mPvkAHs450BAvXezM8Skn3PA2YOSGyEjPeWIAkXs69qc-o3kDUUg9hQpbvor1fbIn2zPB8F34KTU4GNZb9-PXkhXJf3MZFer2yL7kMEpXaUJnxpLWtC4_4kEm0fmR
図15 病院、患者、医師が情報共有するインセンティブを付与する
MDV HPより引用)


同様の発想で、遠隔医療において、関係者全員が利益を得られ、それにより普及が
促進するような、
患者、医師、病院へのインセンティブ設計を考えて欲しい



他社の参入を促進し、技術を普及させる仕組み
患者、医師、病院だけでなく、他社の参入を促進する仕組みを考慮することで、発明を
より「価値の高いもの」へ進化させて欲しい
例えば、QualcommLife は、遠隔医療において、以下のようなビジネスエコシステムを
作ることを想定している

https://lh6.googleusercontent.com/icLdA6v_87VYkioyxndSF2bFPjy5jjU0x4lRa_Z9k3Yimj8vxhkx96ALX6rPz1S7Kw3SXAP5_aPOjXnTTqCkOFDUU1NU9UG-8Ak5GL1G_eo9Bh3rk5Y_Stl913Kq9pHjnOG1AP4g
図16 QualcommLife のビジネスエコシステム
QualcommLife HPより引用)


デバイス、アプリケーション、プラットフォーム、患者、医師等の利害関係者について、
インセンティブや競争環境を上手く設計し、企業等の参入を
促進することで、QualcommLife 
中心としたビジネスエコシステムを作ることを意図していると
考えられる
脳機能疾患においても同様に、ビジネスエコシステムを想定し、発明を創出して欲しい
 それにより、その発明にもとづく製品やサービスが、爆発的に普及する可能性が高まる



 「技術進化の流れ」を考える上で重要な役割を果たす、最新の「関連技術」「要素技術」

● 例えば、「遠隔」という制約から来る様々な要求事項を満たすため、「通信」技術の進化が、発明い大きな影響を与えると考えられる
● つまり、「通信技術の進歩」により、「これまでにできなかったことができる」ようになる可能性がある
● 他にも、「どのような要素技術が、この分野の発明に影響を与えるか」考え、エッジ情報を探して欲しい

例として、「Bluetooth Low Energy」を用いた、「薬の飲み忘れ防止」についての技術を、以下に紹介する。


図17 「服薬支援容器(IoT錠剤入れ)」


以上