「発明塾®」へようこそ!: 「計画的に勉強する”仕掛け”をつくる」~塾長の部屋(49)

2013年9月8日日曜日

「計画的に勉強する”仕掛け”をつくる」~塾長の部屋(49)

大学生は、夏休みも後半になっていますので、勉強法について復習しておきましょうか。

「夏休みに勉強します」

と宣言していた学生も、結構多かったですからね(笑


さて、以前もどこかで書いた気がしますが、僕の勉強法を、整理しておきましょう。

①目標を定める/できれば身近な人をベンチマークにする
②3ヶ月を単位とする/本なら3冊が目安
③すぐにアウトプットする

この辺りでしょうか。一つづつ行きましょう。これは、大学生はもちろん、社会人になって時間が限られてくると、特に威力を発揮します。


①目標を定める/できれば身近な人をベンチマークにする
目標については、度々言っていますが「まずは決める」事が重要です(注1)。例えば僕が、社会人になって最初に決めた目標は、

「30歳までに、機械設計者として、独り立ち出来るレベルになること」

でした。今から考えると、測定基準が曖昧で、いい目標設定とは言えない気がしますが、身近な先輩をベンチマークにして、「あの人ぐらいかな」というものは持っていました。

結果的には、入社2年で、新機種エンジン開発の「実質上の」取りまとめ(係長相当)を担当することになり、その仕事を通じて、3年目ぐらいで、目標は達成されました。ラッキーでしたね。

具体的に日々どのように、「勉強」?に落としこんでいたかは、次で説明します。


また、コマツ時代には、当時の上司に

「目標とする設計者を決めて」
「その人のスキルを因数分解し」
「それぞれに対して、今何%で、毎月何%に向上させていくのか」

を、表にしろと言われました。当時のものではないですが、こんな感じです。




毎月、その表を元に「面談」して頂き、仕事内容の調整などをしていただいたこと、今でも非常に感謝しています。なんだかんだ言って、

「良い上司に恵まれたこと」(注2)

が、僕が継続的にスキルを向上させることが出来た、大きな理由のようにも思います。


②3ヶ月を単位とする/本なら3冊が目安
これは大学時代からやっていたことですが、具体的な目標を決めると、

「それを、必要な要素に因数分解し」
「3ヶ月を単位として」
「それぞれ、最低3冊、読む本を決める」

ことにしています。そして本は「決めた時に、まとめ買いする」(注3)ことにしています。

この方法は、その後も僕の部下になった人には、常に指導していますが、自分で自分の勉強が計画できる人が、意外と少ない気がしますね。逆に言うと、「計画ができれば勝てる」というところでしょうか?

皆さんも是非、試してみて下さい。


③すぐにアウトプットする
ここが一番重要かもしれません。すぐに必要にならないものは、結局身に付かない気がします。というか、身についたかどうか判断できない、と言うべきかもしれませんが・・・。

この辺りをクリヤーするために、僕が、タマに裏技として使うのは、

「資格試験を受ける」

です。因数分解で困るときにも、これを使います。目的は「資格をとる」ことではなく、「資格が取れるぐらい、理解を深め、アウトプットを出せるようにする」ことに置きます。

実際、30前後で「経営について勉強しておきたいよね」となった時に、もう少しコストの高い、

「学校(海外のビジネススクール)に行く」

という選択肢も検討しましたが、「手頃な資格(中小企業診断士)」を見つけたので、テキストを買って一通り勉強し、受験することにしました。試験自体は手頃な難易度のものでしたし、あの程度のコストで、マクロ経済学や財務会計など、視野を広げることが出来たのは助かりました。さすがに、「何のアウトプットの機会も設定せず、自習する」というのは、僕の自己管理能力では、無理だったと思います。

どちらかと言うと、

「アウトプットせざるを得ない場を設定して、それに向かって計画を立てる」

が正しいかもしれませんね。

「出来るようになったら、やります」

は、沈没する人の典型的な口癖ですよね。


以前も「大学時代に身につけておくべきことは勉強法」(注4)と説明した通り、しっかりした勉強法を身につけていれば、社会に出ても、新たな知識やスキルを、ブレること無く継続的に身につけることが出来ます。

残り少ない夏休み。

成果が出ていない人は、やり方を見なおしてみては?



※ 注1) 以下参照
・発明塾京都第145回開催報告~「なんでもよいから目標を立てよ」
 http://edison-univ.blogspot.jp/2013/09/145.html

※ 注2) カワサキ時代の上司は、一般的には「どうかな???」と思う上司ではありましたが、結果的には、その方が上司として「???」だったからこそ、「大きなチャンス」が巡ってきました。結局のところ、困難な状況というのは誰にとっても困難なので、その中で「頭一つ抜け」れば・・・。

※ 注3) 資料は常に手元にないと、効率が悪いんですよね、結局。例外的に、会社にある非常に高価な資料集などは、会社の図書館に夜中まで篭って、読んだりしていました。

※ 注4) 以下参照
・立命館大学「発明講義」最終回を迎えるにあたり~何を学ぶべきだったのか
 http://edison-univ.blogspot.jp/2013/01/blog-post_11.html