「発明塾®」へようこそ!: スタートアップ/ベンチャー企業は「どんな特許を取ればよい」のでしょうか?~OB・OG近況報告/第369回開催報告

2017年3月10日金曜日

スタートアップ/ベンチャー企業は「どんな特許を取ればよい」のでしょうか?~OB・OG近況報告/第369回開催報告

今回の討議は、塾生さんの持ち込んでくれたマインドマップをもとに、食品製造プロセス、特に、

「検査」

についての発明創出を目指し、行いました。食品素材の効率的な活用のために、やれることはまだまだあるようですね。以前、

「ゴミ」

問題を取り上げたことがありますが、製造業では、不良品などを

「どれだけ前工程で検出し、除去できるか」

を重視しています。付加価値を付けた状態で

「NG」

を出すと、無駄(損失)も多くなるからです。こういった発明創出を通じて、皆さんがあまり知ることがない、製造業の現場の話なども、どんどん提供していきたいと考えています。

川崎重工時代、コマツ時代から、僕は

「製造現場に行くのが、とても好き」

な技術屋でした。川崎重工時代は、ほぼ毎日、試作&テスト/量産の現場に顔を出していました。

「機械系の製造現場の、油(と切削液)のにおいを嗅ぐと、なんとなく落ち着く」

のは、今も変わりません。
(クライアント企業訪問時、工場の横を通る度に、感じます)


さて、今日は、発明塾設立当初に、主に@東京の運営に協力していただいていたOBの方の近況報告を兼ねて、題記を取り上げます。



● スタートアップ企業は、知財権の取得を、どのように考えていけばよいか?

タイトルの、

どんな特許を取ればいいですか

は、そのOBの方が、現在設立準備中のスタートアップの知財戦略?について助言してほしいとのことで、先方へ伺った際に、起業メンバーの皆様から出た発言(質問)です。

どういうExit(エグジット)を目指すかにもよるでしょうが、

「資産価値と、見込める利回り」

という視点で、いくつかアドバイスをしました。経験上、スジのいい投資家は、この辺を突っ込んでくることがわかっているからです。

「どんな特許取ってるんですか?」

の質問に、

「XX理由で、ZZZ関連の特許をまず重点的に押さえに行ってます」

と、

「ビシッ」

と答えられれば、まずは合格でしょう。

あとは

「特許にこだわらないでね」

という話なんかもしました。

これは、僕の個人的経験が色濃く反映されていて、

「身銭切って、スタートアップに突っ込む」

場合には、シビアに考えたほうがよい点です。
(それなりの規模の企業内で、新規事業創出をする場合には、あまりシビアに考えすぎず、出せるものは出しておくほうがよいと思います)

小さな企業の場合

「武器は、”多い”より”強い”方がよい」

からです。資本力ではなく、頭脳で戦うことのメリットデメリットについて、徹底的に考え抜く必要があります。
(経験上、資本力で戦う方が、圧倒的に楽です)


(画像をクリックすると Amazon.co.jp のサイトへ移動します)
Amazonのプログラムから画像を引くことにしました。
帯には、
「みずからのアイデアを、夢に終わらせてはならない」
と書かれています。
帯も大事ですね。



● 結局のところ「誰が相手か」をよく考えることになる

今回は、技術アドバイザーを務めておられる方が、ご経験が豊富で、今後世に問う製品の

「本質」

の部分をうまく抽出しておられました。したがって、

「まず、ここを押さえたいね」

という部分は、お話を伺って、すぐに明確になりました。
(かつ、すぐに同意いただけました)

あとは、取ってどうするか、という話です。

「その権利を、あるいは、権利を取ったという事実を、誰に対して、どう使いたいか」

を、できるだけ多くのシナリオで考えておくことで、

「何から、まず始めるか」

が明確になります。知的財産に関わる権利というのは、僕は

「オプション」

だと考えています。行使するかどうかを決める権利、だと考えたほうが、経営上、会社の資産として正しく評価が出来ると思っています。
(行使するときに、少なからず、というか、取得時とは比べ物にならない費用が、少なくとも一時的に発生する可能性があるからです)

例えば、為替取引の

「プット/コール」

のオプションと対比すると、とても分かりやすいでしょう。

このように、

「知的財産権の本質は何か」

について、一つ一つ、経営の言葉を用い翻訳していくことで

「どんな権利を取ればよいのか」

は、非常に明確になります。


それにしても、塾関係者、OB・OGが続々と起業して行くのを見るのは、楽しみでもあり、少し心配な点もあります。何かあれば、随時相談してください。必ず1回は、個人的に話を聞き、また、可能な範囲でアドバイスをすることにしていますので。


楠浦 拝


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